はじめてのなかま


「成功だね、これでやっと元通り」


また聞いたことのない声と一緒に

キーとドアが開いて

今度はスラリとした背の高い男が入ってきた。



「こんばんは、便利屋のサトウです」


「便利屋?」


もしかしたら僕より若いか、同じくらいか。

黒縁メガネのその男は

片手で名刺を差し出しながら


「やっと見つけました、行方不明のお兄さん」


そう言って、胡散臭いくらいの作り笑いをしてきた。

この人も、計り知れない闇を抱えている…

メガネの奥にある目は少しも笑っておらず

つかみどころのない飄々とした態度が何とも危なっかしい。




「どういう…?」


僕は名刺を受け取りながら、そう言った。


おばあちゃんの日記を読んで

大体の事を理解したような気がしてはいたけれど

何を信じて、

これからどう生きていけばいいのかよく分からなくなった僕は

恐る恐るそこにいる2人に問いかけた。



「僕は一体、何者なんですか?」


「まだ分からぬか、お主はろうそく屋の店主。

そして、この世界の星空を作る者じゃ」


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