第9話 「龍潭譚」(泉鏡花)

#「龍潭譚」は「りゅうたんだん」と読むそうです。ちなみに、「井伊直虎」で有名な「龍潭寺」は「りょうたんじ」と読むそうです。#


子供の頃、父親に斜め向かいの商店までたばこを買いに行かされました。最初のうちは、(今はもう売られていない)「いこい」か「しんせい」でした。「いこい」は、薄茶色のバックに黄色の五線譜と四分休符が描かれて黒で「いこい」と書かれていました。「しんせい」は、黄土色のバックの上と下に茶色の台形の模様でしたが「SHINSEI」とローマ字で書かれていたので当時読めなかったんじゃないかと思います。共に20本入りの「両切り」の紙巻きたばこでした。


その後いつの頃か父の嗜好が「ハイライト」に代わりました。「ハイライト」は白地に角を丸めたコバルトブルーの長方形が描かれ、その上部に黒線の放射型デザインと中央に「hi-lite」の白文字でした。20本入りで「フィルター」が付き、「いこい」や「しんせい」が箱丸出しだったのに対してセロハン包装がされていました。


現在殆どのたばこにフィルターが付いていますが、国産では「ショートピース」、外国産では「ゴロワーズカポラル」だけがフィルターの無い「両切り」だそうです。日本では1957年にホープ(10本入り)が「フィルター」付きの第一号でしたが、本格的な「フィルター」付きの時代にしたのは1960年に発売された「ハイライト」で、大ヒットして世界でNO.1になったそうです。そして1985年にはフィルター付きがほぼ100%なったとのこと。


父は交通事故に遭ったことを機に喫煙をスパッとやめました。自分も今はもう吸っていませんが、初めての失恋を機に吸い始めました。大学生の時でしたから勿論「フィルター」付きでしたし、一時流行ったニコチン・タールを減らす小さなプラスチック製のパイプも付けたりしていました。当時友人が「缶ピースシブイがや」と買い始めましたが、フィルターが無いとたばこの葉が口に入ってしまい、とても吸いにくそうで長続きしなかった様に思います。


そんな吸いにくい「両切り」のたばこの吸い方とは、机の上などでトントンして片方に葉っぱを寄せ、葉っぱが無くなった方の巻紙を折り込んで吸い口とします。巻紙が唾液で濡れない様に唇の外側でたばこを咥えて弱くゆっくり少しずつ吸い込むそうです。その様に吸うことにより葉っぱが口に入らないですし、燃焼温度が上がらないのでたばこ本来の味が楽しめるらしいです。


たばこにフィルターが付くとニコチンやタールを低減させ、それらを風味・香り・コクと感じる人がより深く吸ったり本数が増えて、フィルターを付けても健康を害することに変わりないようです。逆に、「両切り」であるが故に強いたばこの刺激のまま吸い込むことが出来、吸いにくさも手伝って、本数吸わなくて済むという変な利点もある様です。


さて、今の日本「害(弊害)があるのにいつまで経っても中止や規制ができない」ものばかりです。たばこは勿論のこと、原発、高齢者の運転、議員・会長・学長など高齢者ののさばり、真夏の東京オリンピック、超高額医療、コンビニ受診、私利私欲の官僚、一人じゃ何も出来ないからの数頼みの政党政治、などなど。原点に戻って考え直すことを強力に勧めました。


「両端断」

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