第3話 「断腸亭日乗」(永井荷風)
自分は昭和33年生まれですから、小学校入学が丁度の昭和40年になります。つまり昭和40年代は小学生・中学生といった多感な時期だった訳で、当時はテレビが白黒からカラーに変わる時でもあり、元祖「テレビっ子」と言われても良い世代だと思われます。そんな中、自分は超典型的な「テレビっ子」だったので、テレビ番組だけでなく芸能界のことまで色々と「知識」としており、女優や俳優の名前からゴシップまで知り尽くしていて、大学生になってからも友人から「画面の向こうは友達」みたいな言い方をされていました。
子供の頃に見た番組の中で子供用冒険活劇の「実写」番組として流行っていたのは、後に始まった「仮面ライダーシリーズ(S46~)」と人気を2分する「ウルトラシリーズ」といった所謂「SF物」でした。「ウルトラQ(S41)」から始まり、「ウルトラマン(S41)」、「キャプテンウルトラ(S42)」、「ウルトラセブン(S42)」、「怪奇大作戦(S43)」、「帰ってきたウルトラマン(S46)」、「ウルトラマンエース(S47)」、「ウルトラマンタロウ(S48)」、「ウルトラマンレオ(S49)」あたりまでは記憶にありますが、その後も「ウルトラシリーズ」は続き、現在も「ウルトラマンタイガ(2019-)」が放映されています。
歴代の「ウルトラシリーズ」でダントツ人気は、シリーズで最初にDVDがデジタル化されたり、「平成ウルトラセブン」が制作されたり、50年経過しても尚再放送がなされたりしていることから明らかな様に「ウルトラセブン」らしいです。主人公「モロボシ・ダン(漢字で書くと「諸星弾」だそうです)」が「ウルトラアイ」でセブンに変身するのですが、変身途中「ブタ鼻」みたいになるところは子供ながらに笑えました。
ウルトラマンでは「科学特捜隊」が、ハヤタ隊員(早田進:ハヤタ・シン)をはじめとしてムラマツ隊長、アラシ隊員、イデ隊員、フジ・アキコ隊員、ホシノ・イサム隊員(少年)の6人で、フジ隊員が紅一点でしたが、「桜井浩子」さんは「ウルトラQ」にも出演しており、新鮮味として少し欠けた様に思います。一方、ウルトラセブンは「ウルトラ警備隊」が、モロボシ・ダン隊員、キリヤマ隊長、フルハシ隊員、ソガ隊員、アマギ隊員に紅一点の友里アンヌ隊員の6人でした。アンヌ隊員役の「菱見百合子」は美人でしたね。(ご存知かと思いますが、「毒蝮三太夫」が両方にアラシ隊員とフルハシ隊員として出ていましたね。)
そう言えば、ダンとアンヌは最終回(前後編)で恋人同士であるが如くに描かれました。ウルトラ警備隊では職場恋愛禁止では無かったのでしょうか。それにしてもダン役の「森次浩司」はキアヌ・リーブス似のイケメンでしたよね。「菱見百合子」と美男美女といった感じで本当にお似合いでした。最後アンヌが、「ダンはダンに変わりないじゃないの。たとえウルトラセブンでも」、「待って、ダン、行かないで」と訴えてもダンはアンヌを置いて行ってしまいました。
当時 そういった「SF物」のもう一方で流行っていたのが「アニメ」では「巨人の星(S43)」「アタックNo.1(S44)」などの「スポーツ根性(スポ根)」もので、その「実写」番組と言えば、「サインはV(S44)」と並び「柔道一直線(S44)」が双璧でしょう。どちらも荒唐無稽な「技」があるのですが、一応出来ないまでも真似はしようとしていた記憶があります。「サインはV」では「岡田可愛」が演じる「朝丘ユミ」のサーブ、相手コートに背を向けて腕をグルグル回してから打つ「稲妻落とし」を真似してみたり、「柔道一直線」の方は「桜木健一」演じる「一条直也」が繰り出す「地獄車」「フェニックス」「二段投げ」など物理的に到底無理なので一応「技を掛けたつもり」で友人たちと遊んでいました。
今でも同窓会などで友人と会って昔のアニメの話をすると決まって「柔道一直線」の話題が出るのですが、論争するのが、「イッチジョウ!ショウブシィロ!(一条!勝負しろ!)」と言った外人が誰なのか、ということです。「近藤正臣」が演じる「結城真吾」がピアノの鍵盤に飛び乗って足先で「猫ふんじゃった」を演奏すること以上に毎回熱く語り合いますが未だに結論は出ていません。
そういった「アニメ」系番組以外で忘れてならないもので「お笑い」も当時の子供たちに非常に人気がありました。「8時だよ!全員集合(S44)」「TVジョッキー(S46)」などは学校では誰もが見ていて当たり前の番組でしたが、自分はちょっとオヤジ臭いところで「笑点(S41)」も好きでした。特に、4代目三遊亭小圓遊と桂歌丸との掛け合いは子供から見てもとても笑えました。
もう50年以上放映されている「笑点」の司会者は変遷があり、7代目立川談志、前田武彦、初代三波伸介、5代目三遊亭圓楽、桂歌丸、そして現在は静岡県出身の春風亭昇太となっていますが、自分は幼かったのか談志や前武が司会だった頃の記憶はありません。
当時はそもそも漫才や落語の様なお笑いは年中やっている訳ではなく、現在のどのチャンネルを見ても「芸人」が出ていないことがないなんてことは全く想像できない状況でした。正月朝の恒例の特番で漫才などが見られるのが結構楽しみで、食い入る様に見ていた記憶があります。
さて、高度経済成長は昭和30年から昭和48年までということですが、その時代に少年期を過ごした人間は、日々の生活でどんなことに影響を受け、そこから現在どういった心境で活動をしているのか、昭和40年代当時見られていたテレビ番組をもとに考察してみました。
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それにしても、この「ウルトラシリーズ」で主役を張った俳優さん達ってどうしてその後は悪役しか回って来ないのでしょうか。ハヤタ隊員の「黒部進」、ダン隊員の「森次浩司」、キャプテンウルトラの「中田博久」などは時代劇では必ず悪役です。帰ってきたウルトラマンの「団時朗」(もともとは本名の村田秀雄でしたが、歌手・村田英雄と混同されることが多く途中で改名しています)も悪役ばかりです。
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