一「アメノミナカヌシ」
古事記では序文のあと、天地創成の神話が始まる。
「
天地が初めて分かれたとき、いきなり天上の世界に現れた神様が「天之御中主神」だった。
続いて現れた高御産巣日神と神産巣日神とともに、
ただ、古事記序文に「
また、のちに誕生する
つまり、神名でもわかるとおり天之御中主神は、世界に最初に生まれた最も特別な神であったという。
しかし、日本書紀本文において、最初に誕生した神は
天之御中主神はというと、別伝に少しだけ記載されているだけだ。
「
最初ではない上に、別天つ神でもなく、この一文のみである。
古事記でも現れてすぐに「身を隠した」と書かれているため、いったい天之御中主神(天御中主尊)がどういう神なのかは、はっきりとしていない。
今後も神話や天皇に関わってくることはなく、具体的なエピソードを語られることもなく、表舞台から完全に「身を隠し」ている。
日本の神話が形成されていく過程で、中国の道教の影響を受け、新しく生み出された神様とされる。
そのため信仰の対象とはならなかったようで、アメノミナカヌシを祀る古い神社は存在しない。
しかし近世以降になると、北極星や北斗七星がアメノミナカヌシの名前と重なることから「
各地に三十数社あるとされる妙見社(宮)で祀られ、妙見社のご利益は長寿、息災、招福とされる。
また、東京都中央区にある
これは、もともと祀られていた水天が、インドの最高神ヴァルナを起源とする神様だったため、神仏習合の際にアメノミナカヌシと神格が同じであると解釈されたからだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます