第2話 相談員山を登る
走りっぱなしだった馬は、幾度目かの
ルイス自信も
「よく、頑張ったな」
ルイスは動かなくなった馬に別れを告げると、鞍から登山道具や食料などの入った荷物を下ろし、山頂に雲がかかった険しい山を登り始めた。
すでに辺りには雪がうっすらと積もり、山頂付近は登山道具がないと登れないだろうと予測していた。
ルイスは魔術師だったが、冒険者としても活躍していたので、登山はお手のもののはずだったが、なにしろ数年ぶりの登山で、おまけに股ズレが酷かったので、幾度となくヒーリング・ポーションで傷を癒し、
途中、オーガやフェンリルなどと何度か遭遇したが、それはルイスの魔力の前では倒すのは困難では無かった。
山頂付近になると、雪が降り積もり、吹雪いていた。吹雪の中、防寒具と
吹雪の中でも目立つ緑のクリスタルボールを触ると、重い扉が開き、暖かい空気がルイスを歓迎した。
暖炉のある応接室で、すでに湯気が昇る紅茶がテーブルに置いてあった。
「歓迎ありがたく存じます。私はルイス・ボイス。王立療養所の魔術師です。本日は……」
「かえれ!!!」
ルイスが言葉を終える前に、怒鳴り声が響いた。
「飲んだらかえれ!!!」
この声は、確か数年前に魔術師会議の時に聞いた覚えのある、タイロスの声だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます