第3話 私の繭の心

私の『心』は、繭の中にある。

触れれば柔らかく、力を加えれば

簡単に破けて、中が見えてしまうくらいに

弱い私

何も知らない

大人たちは、まず始めに破こうと

早く中を覗いて、引っ張り出そうとする。

精一杯の力を込めて、握られた手には

止めて、痛い、休ませて

その気持ちを込めて編んだ繭は

少しの力が加わっただけで

中を除く前に、砕ける

お願い、そっとして

守る事で精一杯だから

どうか、責めないで。

『今』は、ここに居させて下さい。


ほんの少しの今を生きていきたいから。

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鳥にちかく付いた羽 @sanami373

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