第12話 個人的な絶望の夜
「こっちの方がクレイモアに近いぴょん」
と言われルーナの案内で街道から外れ、荒野を進んでいます。
ダンジョンでルーナは、スカウトとグラップラーの役割で、拳よりも蹴りが得意らしいです。
その得意じゃない手のひと振りで、上空を舞うワイバーンの群れが全滅していたんですけど。
アリスは魔法全般とアサシンスタイルで、攻撃、防御、付与、妨害、回復となんでも使える。
数が多ければ弱い魔法で一掃して、強い敵には強力な魔法かルーナに注意が向いたら暗殺らしい。
でも。
「魔法や暗殺よりも、正面から殴った方が早くて簡単ですから〜」
なんて言うかこの2人、既に大魔王すら逃げられない状態だと思う。
それが子羊だったら、逃げようと思う前に全てが終わってるんだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
アリスはストレージを持っている事を隠していたらしく、奴隷になっても中身を奪われていなかった。
ボクらは街道を大きく外れた荒野で、夕方になったので野営をしている。
アリスがストレージから出した1人用のテントに入ると、内部は豪邸だった。
せめて料理くらいはと厨房に立とうとしたら、裸エプロンで料理させられて。
食後の入浴では泡まみれになって体で洗って来たのに焦らされて。
寝室ではベッドに押し倒されたので優しくしてって言ったら貪られた。
「まだ男らしくないボクには勿体無い2人だけど、いつか2人に釣り合うように頑張るよ」
「ミゲル君の体はこれ以上成長しませんよ。私が魔法で、華奢で可憐な女の子みたいな体のままで居るように成長を止めましたから。あっ、私にも解除は出来ませんよ? なにせ世界にひとつしかない、神話のアイテムを消費して行った魔法ですから(大嘘)」
なんでことなんだ。
女の子みたいっていう目の錯覚はともかく、このひ弱な体から成長しないだなんて。
ボクのタフガイへの道は途絶えてしまったのか……
「落ち込んで悲しんでるミゲルもそそるぴょん。もう何回かやっちゃうぴょん!」
「あー、だからせめて、優しくして」
「だから責めてるぴょん」
ぴょんの後ろにハートマークが見えた気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。