第4話 体験学習の検証
学習した能力は多岐に渡り、小石を投げれば【石礫】
枕を投げれば【枕投げ】と、投げるだけでもかなり細かい。
更に投げる物を増やしていくと、統合し【投擲】となりましたってアナウンスが入って、何を投げても微妙に補正がかかっている気がするようになった。
剣術、体術、槍術、歩法、呼吸法なんかが統合された【武術】の恩恵は大きかった。
日常でも武術として最適な動きがわかるので、その動きを意識するだけで戦いのセンスが磨かれていく感じがするのだ。
実際に動きの無駄も減ったので同じスタミナでも活動時間が増えたし、増えた時間に訓練する事で更にスタミナ我増えた。
学習の条件も判明した。
自分自身が見聞き体験した事柄に限り、学習し能力として会得する。
例えそれがボクにとってマイナスでしかなかったとしても、勝手に学習して能力にしてしまうのは、体験学習の大いなる欠点ではなかろうか。
男色とか、男色とか、男色とかーーー!!
おのれリック、許すまじ。
ミリーと結婚しなかったら、去勢してくれる。
学習条件が判明してからは、ボクは何でもやった。
村でしている仕事は全部見学したし、能力の向上のために同じ行動を繰り返す事もした。
仕事とか素振りとかね。
学習能力の中で1番嬉しかったのは魔法。
普通の魔法使いは生活魔法で自分の属性適正を調べて、毎日生活魔法を使い続けて魔法を強くしていくんだけど。
ボクも毎日の反復練習は同じだったんだけど、魔法を使うんじゃなくて科学魔法の能力を使うから、魔力を消費せずに魔法が使えたんだ。
その日からボクは開拓のヒーローになったんだ。
誰だよ! 今、開拓姫とか言ったのは!!
荒れ地は耕され、石類は後に村の防壁として固められ。
急激に広がった村には門がないから、深く広い空堀が作られた。
木材も森の中から適度に伐採され、村中の未婚の男達から求婚された。
アイツ等絶対、目が腐ってる!!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
統合された学習能力については、概ねこんな感じだ。
武術
戦ったり体を動かす能力の現在の最終段階。
科学魔法
オリジナル魔法まで作れるようになった。
魔力を消費しない魔法っぽいなにか。
商業
村に来た商人と商品や情報を売買して、商売をしていたら身についた。
計算や暗算も統合されている。
生産
第一次及び第二次産業の総合能力。
鍛冶や炭焼き以外は大体覚えた、はず。
くノ一
狩人や暗殺者系の最終能力で、女装や男色も統合されている。
ボクは男だから忍者だろうに、解せぬ。
信仰
祝福され転生までしたので、いつからか神に感謝して祈るようになったら得ていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
信仰以外はどの統合能力も便利で、正に異世界転生チート……なんだけど。
成長するに従って家族だけじゃなくて村中から、村から出るな嫁入りしろって言われるようになって、かなりうんざりしている。
それに、なぜか夜這いされるようになったので、家出して森の奥で暮らしている。
夜這いからは、くノ一の感知能力で事前に知覚して逃げ出した。
逃走成功率100%だ!
ボクももう14歳になった。
予定より半年以上も早いけど、次に行商のオジさんが来たら、村から出た馬車に乗せて貰おう。
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