第6話 威戎者
「さて。先程あなたが使った【超威】の力など、この世界で使ってはいけません。このちっぽけな星などあっという間になくなってしまいますからね?」
「うーん。何か自分でもよく分からないんだ。あの空間に現れた渦だって、勝手に出てきたし」
「ご心配にはお呼びません。先程【スイッチ】は入れました。【万威】までなら扱えるようになるでしょう」
「魔力は使えるの?」
「えぇ、質は異なりますが、似たような事は出来ます」
「おぉ!!!やっと異世界ライフが満喫できるね」
「その【超威】とか【万威】とか意味がよく分からないんだけど」
「かしこまりました。では、かなり大雑把になりますが
「全宇宙の真理の力
【威力】または【威戎力】と呼び
またその力を扱う者を【威戎者】
威力にはそれぞれ段階がありそれを【威戎】
その段階をしめす言葉を
第一威戎者であれば【天威】
第二威戎者であれば【真威】等と呼びます。
第一威戎=天威。 元素の理解者。
第二威戎=真威。 元素の使役。
第三威戎=幻威。 幻・記憶支配。
第四威戎=霊威。 元素の創造・粒子化。
第五威戎=【極威・光威 】 光or闇の創造。
空間転移・極少空間創造。精神体。
第六威戎=万威。 時間操作(重力創造)
空間転移。有機体の創造=星・生命の創造。
第七威戎=超威。 時間停止。次元管理。
因みに私は第七威戎者で
アレン様の周りにいる者達が第四威戎です。
あえて、この威戎で分けられていますが
一つの威戎の差は隔絶しております。
私も誕生してから1000億年程の存在ですが
初めて他の【超威者】であるあなたに出会いました」
「バルベリスとエミリーの威戎は?」
「バルベリスは第五威戎者です。
エミリーも第五威戎者でしたが
今は第三威戎程の力しか出せなくなっていますね」
「そうなんだ。エミリーの力をもとに戻す事は出来る?」
「えぇ。戻してもいいなら、雑作もない事ですがよろしいのですか?彼女は自らの意思で威戎を下げる枷をしています」
「それならそのままの方がいいね」
と丁度その時エミリーが空を飛んでやってきた。
「アレン様ぁーーーーー!!!」
【ギュン、ズガーーーン!!!】
「やぁ、エミリー。さっきは俺の為に
無理をさせて悪かったね。ありがとう」
エミリーの頭に手をのせて優しくなでる
身長 190センチの全裸のアレン。
「えっ?アレン様?もとの姿に戻って・・・」
アレンの懐かしい姿に言葉を途中でやめて抱きつくエミリー。
「アレン様がご無事で良かったです。ちゃんと守れなくてごめんなさい.......」
少し驚いたが命をかけて守ってくれた少女を優しく抱きしめ返す。ただ、マンモスが.......
「えー。イチャイチャは後でお願いします。
丁度エミリーもいる事ですし、直接本人に確認を」
ジャックの表情は能面のように変わらない。
「エミリー?力を抑える理由は何かあるの?」
「はい。この
「そか。ならもとに戻した方がいいね」
「はいっ。1年程で戻ると思います」
「そういう事なら、ちゃっちゃと戻しましょう」
『超威顕現【
パチンッと指をならすジャック。
一瞬でエミリーの身体が180センチ程になり
スーパーモデルのように変化した、白い肌に少女だった時には壊滅的だった胸がこれでもかと強調されている。
その絶世の美女の全裸を逃すまいと血走った目を向けるアレンの視線に気づいたエミリーが「きゃーーー」と乙女の声をあげながら、突然後ろに振り返りしゃがみこむとピンク色の艶やかな長い髪が遅れて腰に、はらりとまう。
『光威顕現【ブティック
白いロングのカットワンピースを纏ったエミリーが
ピンク色の潤んだ瞳でアレンを見つめ
「変態さんは治らなかったんですか?」
とアレンの左頬をつねってくる。
「ごめんびゃひゃい。あまにゃにも、うつくじがっだので、見惚れでぢばいばいじた」
「何を言っているのかさっぱり分かりません」
「ごめんびゃひゃい。ゆるじでぐだびゃい」
そこでようやく解放されるアレン。
「超威力を扱う事が出来る人なんて
アレン様以外初めてみました」
「私ジャック・ザ・ジョーカーと申します」
「はっ、ご挨拶が遅れてしまいました。
私はエミリー・スカーネットと申します。
この度は色々と助けて頂いてありがとうございます」
「いえ、全ては必然たる真理へ帰るだけです」
「ふふっ、えぇ本当にそうですね」
それからも、2人で色々話していたが
真理の話しが出た時からアレンは話しに
ついていけなくなり、7色の光球と遊んでいた。
「さっきは人がピンチなのに、随分と好き勝手にやってくれたな!これでもくらえっ!」
アレンは右手から炎を噴射するが直ぐ様、青い光球がふわっと炎の周りをくるくるまわると掻き消えてしまう。
「ダメダメだよー。そんな薄っぺらい火なんて、効くわけないじゃん!元素の力はこうやって、使うんだよ」
【
アレンの周りの空間からいくつもの水流がアレンの体に襲いかかってくるが、黒い光球がアレンの周囲を飛び回り、勢いを和らげてくれた。
「ちょっと、あんた私のアレンに何してんのよ!」
水の勢いは弱まったがびしょ濡れのアレン.......
「やったな.......俺は光威を使ってやる!」
大人げない子供のアレンは光威を顕現する。
【
青の光球から絶え間なく水のカーテンが空に噴射され、光の屈折により、虹のカーテンが描かれた。
「搾られる~搾り取られてる~」
と言いながらもその表情には余裕がある
【
緑の光球が空を引き裂き巨大な拳でアレンをぶん殴る。大人げなく、腹を抱えて笑っていたアレンにクリーンヒット!「ぶべっ」と間抜けな声を上げて渓谷の壁に人型の穴をあける。
「痛くないな。ギャグモードだからか?」
穴から飛び出たアレンはそのまま緑の光球を蹴り飛ばそうとするが、またもや空間から突如顕現された巨大な拳に殴られそうになるが、拳が当たるとアレンの身体は霧散した。
「くわっはっはっはー!糞ガキめっ!同じ手を喰らうアレン様ではないわっ!」
緑の光球を握り締め高笑いするアレン。すると、頭上から雷が落ちてきて、アレンに直撃する。
「「アバババババッ!!!」」
二人纏めて落雷を受けあばばしている。
「私も参加するー!」
他の光球達も全員参加し、【威戎】ごっこが始まった。
◆◆◆
「アレン様、後の事はエミリーがいれば大丈夫だと思いますので、私達は元の宇宙へ戻ります」
「そか。改めて礼を言うよ。
本当にジャックが来てくれて助かった、ありがとう」
最終的に七つの光球達を纏めて相手にしていたアレン。
「どうぞ、お気になさらず。では、これで失礼します」
【お前達、遊んでないで帰るぞ】
『アレンまたねぇ~。また遊びましょう。ばぁいばぁ~い』
「ジャックー、皆もありがとー」
近くにいるのに満面の笑顔で両手をいっぱいに振って皆を見送る全裸のアレン。
光球達はジャックの所に集まると一瞬の輝きと共に消えていった。
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