第16話 買い物袋


「ミヨ」


「うん? あ、ちいぃ」


「おばちゃんのお使いか」


「うん。いやー、我ながら母想いの優しい娘ですこと」


「アイスかお菓子か」


「……アイスです」


「はは。……にしても随分重そうだな」


「牛乳とかあるしねー、でも見た目よりは余裕余裕。わたし鍛えているし」


「とかいって実際はめっちゃ軽いんだろう」


「うっわ、おも……! 肩が……! 肩がァァァァ!」


「嘘くせぇ……、どれどれ」


「どうよ」


「重くはないけど、軽くも無く一番リアクションに困るレベル」


「イグザクトリィ!」


「んじゃま、帰るか」


「そだねー。ん」


「ん?」


「うん? いや、買い物袋返してよ」


「ほう、我から宝物を奪おうとは良い度胸だ。この侵略者め」


「待って、キャラと背景が分からない」


「あばよ、とっつぁん!!」


「おぉぉお!? おのれ、陸上部に入っている人間が本気で走るとかするぅ!?」

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