「あんたってさ、あたしのどこが好きなの」

「……え、なにそのしょうもねえ質問」

「や。なんとなく」

「……、絹の様に美しい黒髪が」

「あ、そういうのはなしで」

「……」

「コンビニのコーヒー」

「はい？」

「高い喫茶店のコーヒーよりコンビニの100円コーヒーが好きなとこ」

「安上がりだと」

「違ぇわ。味の好みが似ているって大事だよなって話」

「金銭感覚とかね」

「人が貧乏みたいに言いやがって」

「はいはい、大手金融機関に勤める彼氏で鼻が高いわー」

「鼻？　高い？」

「よし来た、表出な」

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