第13話 放課後の勉強会


「……面目ない」


「5科目平均35点」


「せっかく木村くんに付きっきりで面倒見てもらっておいてクラス平均にも……あは、あはは……」


「…………」


「ほ、ほんとごめんね? 呆れたでしょ? いや、もうあたしの方が自分の頭の悪さにはもう呆れかえってあはは! ……あはは……」


「…………」


「きっ! ……むらくん?」


「うん?」


「その、別に良いよ……? もう、付き合ってくれなくても……、木村くんも呆れたでしょ?」


「どうして?」


「え?」


「良い点だとは言わないけれど、吉田さんの中間テスト平均は22点だよね? 10点以上も上がっているじゃない」


「上がっ! てはいるけど……、でもあれだけ付き合ってもらっておいてたった10点だし……」


「例えば数学は計算ミスが目立つよね。でも、解き方はほらちゃんと合っているっよ? ちゃんと勉強した成果は出ているさ」


「で、でも」


「もしかして迷惑? そうだとしたら無理にとは言わないけど」


「えッ!? いやいやいや!! そんなことない! 絶対にない!! 迷惑なんて本当! 絶対! ありえないし!!」


「そう? それは良かった。僕としても吉田さんと二人っきりになれる機会を失うのは悲しいし」


「…………あ、あのぉ……」


「うん?」


「それは、その、どういう意味……で?」


「……」


「……」


「吉田さんがクラス平均を超えた時に教えてあげるね」


「き、木村くん! 今日の放課後も勉強お願い出来るかな!!」


「勿論だよ」

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