第8話 私の短所


「……立花先輩」


「なんや?」


「……どうして先輩は、私なんかと付き合ってくださっているんですか……?」


「質問の意味が分からへんけど、告白したんは俺からやで」


「背は低いし……」


「可愛らしゅうてええな」


「髪はボサボサで……」


「くしゃくしゃ撫でた時の触り心地が最高や」


「ネガティブで……」


「注意深くて助かっとる」


「そばかすだらけで……」


「チャームポイントっちゅーやつやな」


「友達も少ないし……」


「一人ひとりを大切にしとるやん」


「成績だって悪いし……」


「その分頑張っとる姿を知っとる」


「おしゃれにも疎いし……」


「お相子や。気になるなら一緒に勉強しようや」


「運動神経も悪いし……」


「何かあったら俺が助けたるから問題ないな」


「…………」


「他にはなんかあるか」


「……立花先輩」


「おう」


「…………好きです」


「俺もや」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る