第7話 猫好き


「はぁぁぁんッ! にゃんちゃん! にゃんちゃん! こっちおいでっ! にゃぁぁん!」


「フーッ」


「ああっ! ごめんねっ! 怖いねッ! おじさんの顔怖いでちゅねっ! ごめんね、許してほらキャットフードあるよぉ! 怖くにゃいよぉ!」


「にゃー」


「あっはっっっ! 現! 金!! 餌をくれると分かった途端に猫なで声! もぉ溜まらんっ! ああ、可愛い! 可愛いでしゅねぇえ!!」


「先輩」


「犯人の目撃情報は見つかったのか」


「切り替えの速さが恐怖の域に達しているんですが」


「何の話だ。仕事中だぞ」


「そっくりそのままセンターフライで返してあげますよ」


「……」


「……」


「しょ、証拠はない」


「録画してます」


「……」


「……」


「許してくださいお願いします」


「松乃家の天丼特上で手を打ちましょう」


「四千円もするんだぞ、あれ!?」


「ああ、仕事中だけど同期に連絡が取りたくなってきたなー」


「穴子のお吸い物も付けるか? ん?」


「ゴチになりまーす」

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