ある日の日記
私には気になる人がいます。世間の人がよく言う好きな人ではありません。たぶんですが。自信はあまりありません。
その人は私と同じ学校に通っていてたぶん学部も同じです。専門の授業でも彼の姿を見かけたので。
彼は体を動かすのが好きです。みんながお昼寝したりしている休み時間にお友達を見られる人とキャッチボールをしているのをよく見かけます。
私は彼のことをよく目で追ってしまいますが彼に関してはそうではないようです。なぜなら彼と目が合ったことはないからです。たぶんですが。彼がこちらを見ようとしたときに私が目をそらしてしまっているのかもしれません。え?なんでずっと見ていないのか?って?だってそんなん恥ずかしいじゃないですか。もし目が合ってしまったらどう反応すればいいんですか。どこぞの女の子みたいに愛想よくにっこり笑って手を振るなんてこと私にはできません。不器用ですから。
話を戻しましょう。彼にはきっと彼女がいません。ですが好きな人はいるようです。あまりよくないことだとは思いますが、以前彼とその友達一号が立ち話しているのを盗み聞きしてしまいました。それによればどうやら名前も知らないようなのです。いいですね、青春ですね。彼の好きな人とはいったいどんな人なんでしょう。なんにせよきっと素敵な人なのでしょう。
今日は彼についての分析は
◇ ◇
「もしもし、違ったらごめんなんだけど」
誰かが私の肩をたたきました。いったい誰なんでしょう。声からして男の人なのは間違いありませんし、ものすごい聞き覚えがあるのですがそんなことはあり得るはずもないし。
取り合えず振り返ってみましょう。
「はい、なんでしょう?」
心臓が止まりそうになるってこういうことなんですね。
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