第27話 対策はつるむ



 午後の授業も苦痛の時間が待っていたわけだけど、そんな中、今日からまた僕に対するいじめ? が強くなってきたようだしどうするかなと僕は少し思考を巡らしていた。すると僕はこれいいかもとひとつ良い案が閃いた。そして早速それを放課後には行動に移そうかと僕は考えていた。




 放課後になり僕はある方向を向いてある人物に声をかけた。


「金沢、悪い。ちょっと時間あるか? 話があるんだけど」


 と僕が金沢にそう告げたことでクラスメイトたちは「え? 」と僕の方を振り向いていた。特に今日昼食時に絡んで来た彼らは特に驚いているようだった。


「あ? なんだよ? また喧嘩でもすんのかよ」


 と金沢はいつもの突っかかってくるような反応に僕は


「馬鹿か? 今更そんな事する必要ないだろうに。話があるだけだよ」


 と僕が言い返すと


「確かにな。今更しても馬鹿らしいしな。はぁわかったわ。屋上にいけば良いんだな。後で行くわ」


 金沢はそう言って僕の誘いに乗ってくれることになった。そんな今まででは考えられなかった僕たちのやり取りにクラスメイトは困惑した顔をしていたのだった。




 僕はいつものように屋上に向かい、いつもの場所でぼーっと時間を過ごしていた。すると屋上の扉が開き


「あれ? 坂井? どこいる? 人呼び出して居ないとかないよな? 」


 と金沢がやって来て僕を探し出していた。そして金沢は僕を見つけると


「なにんなとこ座り込んでるんだよ。わかりづれって」


 と僕の近くまでやってきて金沢は座り込んだ。


「で、話ってなんだ? 」


 と金沢は早く話を終わらしたいのだろうか早速話を聞いてきた。


「悪い悪い、呼び出して。頼みがってね。今日僕のところに金沢に絡んだ彼らが来たでしょ? でさ、ぶっちゃけ面倒くさいんだよね」


 と僕が頼みを話していると話を遮るように


「はぁ? 俺に彼奴等の相手でもしろってか? 」


 と少し苛ついた感じで僕に言ってきた。だから僕は


「違う違う。彼らはさ、僕がひとりぼっちと思ってるからあんな事してくるんだろうと思ってね。だからさ金沢、俺とつるまない? 」


 と僕は考えていたことを金沢に話した。僕と金沢別々に居るからどっちにも絡んでくるんだと思ったんだよね。彼らは弱い者いじめしか結局できないと僕は思っているから。それなら絡まれる僕たちに繋がりがあると思わせれば、ひとりではない僕たちにそうそう絡んでこないかなあと考えたわけだ。


「はぁ? 一緒にいろってことか? んなもんめんどいだろが。それになんでんなことしないといけないんだ? 」


 金沢は僕にそう聞いてきたので、ふたりに関係があれば彼らも絡んでこないのではという考えを話した。すると


「いや、考えはわかるがな、俺はお前といつも一緒にいるなんて嫌だぞ? ひとりがいいわ」


 と金沢は僕にそう告げてきたので


「うん。普段一緒に居なくていいって。ただ、僕と金沢は関係があるって思ってくれるだけでいいんだから。今日も金沢呼んで屋上来てって頼んだでしょ? そしたらクラスメイトの顔見たかい? びっくりした顔してただろ? そんな風にたまに声をかけたりしてさ。僕と金沢に繋がりがあるって見せるだけでいいんだよ」


 と僕は金沢にそう答えた。その言葉を聞いて金沢は考え込んだ後に


「確かにな。相手にしたいやつが組んでたらやりにくいわな。はぁお前もよくそんな事考えついたな。まあいつもつるまなくていいなら別に良いか。俺としても彼奴等うざいからな」


 と金沢は僕に了承の言葉を伝えてくれた。


「おっけ。ならそれでよろしくな、金沢」


 と僕が金沢にそう告げ、ふたり会話を終わろうとしていたところに


「あっいました。坂井くん、こんにちは」


 榊原先輩が屋上にやって来ており僕に声をかけてきたのだった。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る