第21話 呼び出し
結局あれから朝まで寝ていた僕。だから僕はそのまま学校へ行く準備をして学校へと向かった。
昨日はいろいろと悩みはしたけれど結局できることと言ったら佐竹と榊原弟に話を聞くくらいかとそんな事を考えながら。
ただ学校に着き少し変わったことが起きていた。ほんとちっちゃい事だけれどいじめらしきことが僕へとまた起こりはじめていた。
足を引っかけようとしたり、体育の授業ではペアが作れなかったり、すごく馬鹿らしい扉に黒板消しなんて挟んであったりと。
けれど僕は足があれば踏んづけていたし、それに怒って睨んでくれば睨み返して。まあそうすると目を逸らして縮こまってしまうそれくらいの相手なんでなんともなかったんだけど。またペアになれないくらいどうってことないし。「先生、ペアが居ませーん」と言えば見学させてくれたしね。
黒板消しは……見たらわかるって。気付いて扉を開くと目の前に落ちる黒板消し。というかこれ意味なさすぎないか? なんて思ってしまった僕はきっと悪くないはずだ。
そういえば物を隠したりはなかったな。そういうこともあるかもと思ってはいたけれどトイレに行くくらいで特にうろつくこともない僕だからそう簡単には出来なかったのかもしれないけれど。
そして授業中に昨日以上に感じる視線があった。誰かはもう分かっていて、その相手は榊原弟。なんで睨んでくるのかさっぱりだからどうでもいいかなとスルーしているけれど。なにか僕に対して根に持っていることでもあるんだろうか。まあこっちは佐竹のほうを優先するとして後回しにしていた。
今日一日はそんな感じで過ぎていった。でも今日のちょっかい、こんな悪戯みたいなことで昔の僕は悩んでいたのかなと不思議に思った。
まあ昔の僕が心が弱かったというのもあるのかもしれない。
けれどそれよりも今回僕は金沢と喧嘩した。結局暴力を使ったということだ。それが金沢が言っていたとおりに相手にいじめをさせない抑止力になっていてひどいいじめは仕返しが怖く出来なかったのかもしれないなと思ったのだった。
さてそんな中であっても気にせずに僕は佐竹に接触を試みていた。昼休みに隣のクラスにお邪魔して佐竹を廊下へと呼び出したのだ。
「坂井くんか。用事ってなに? 」
佐竹は別に変な様子もなく僕にそう尋ねてきた。
「ごめん、佐竹さん。今日の放課後都合つくかな? 少し聞きたいことがあってね」
と僕が言うと少し困ったような顔になって
「えっとすぐに済むことじゃないの? 」
と僕にそう言い返してきた。
「ちょっとわけがわからないことを聞いたものでね。僕と佐竹さんの件で。だから確認したいんだけど。話が長くなるかどうかはよくわかんない。佐竹さんの話も聞かないとわからないからね」
そう僕が伝えると佐竹は
「ちなみに誰に聞いたの? 」
となぜか今その話を確認したがっている感じだった。僕と一緒に居たくないってことなのかそれとも別にあるのだろうか? けれど僕としては今話を終わらせたくないので
「それも放課後話すよ」
と佐竹に告げ、このまま話してても仕方ないかなと思い
「とりあえず放課後、屋上に来てくれる? よろしくね」
と返事を返す余裕を与えずにそう言い残し僕は自分の教室へと戻っていったのだった。
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