第12話 処罰
翌日はひとりで学校へと向かっていった。
昨日母親にいじめにあっていたらしいことや喧嘩したことを話したことで心配させてしまい今日も一緒についてくると聞かなかったが「大丈夫。以前の僕じゃないし母さんが一緒に来ても多分何もできないと思うよ。何かあればきちんと話すから」と話をしてなんとか納得してもらった。そんな母さんを心配性だなと思ってしまったけれど、それ以上にそんな思いがとても嬉しいという気持ちが溢れてきたのだった。
僕は学校に向かいながら昨日のことを考えていた。まずはいじめのこと。机の落書きや華が飾ってあったとしてもクラスメイトは気付いててもなにもしない。それはいじめ自体を無視していたってことになる。金髪の男が突っかかってきたのはわかるがその後はどういう理由なのかその男に机が押し付けられていた。そう、結局誰がいじめの主犯格なのかさっぱりわからなかった。
その後は何もされること無く1日が終わってしまったし。
そして風紀委員。うん。役立たず。それしかないな。あと風間先輩が困ったものだ。まあ上手く相手して躱していくしか無いか。あと白石先輩。相手にすると面倒くさそうだ。とくに風間先輩を大事にしているように見えた。気があるのか? まあそれはどうでも良いか。
風紀委員で思い出したけれど……処罰はどうなったんだろ? 今日なにか言われるかな?
結構考えることがあるなと思っていればもう学校に着いていた。僕は結局隠されたりしても面倒だと考え靴箱は今日も使わず袋から上靴をだして履き替えた。
今日はすんなり教室に着く。教室の扉を開ければ昨日のようにクラスメイトの視線。けれど昨日のようにしつこくなくすんなりと視線をそらしていた。僕は自分の机へと向かうと今日は何もされていないようだった。喧嘩の後から何も起こらない? なぜだろうと思いながらも席へと座り授業が始まるまでぼーっとしていようと思っていた。
そう言えばとふと見てみれば金髪の男の机は昨日のままだった。うーん、主犯格は何がしたいんだろうと僕は考えてしまったがわからないものはわからないと諦めてしまうのだった。
しばらくぼーっとしていると教室へと昨日の竹刀を持った女子生徒が入ってきた。そして僕の席へとやってくる。
「おはようございます、坂井くん。ちょっと来てくれますか? 」
と僕に声をかけてきた。それを聞いて僕は彼女は風紀委員だし処罰の通知で呼ばれるのかなあと考えながらも
「わかりました」
と一言告げついていくことにした。
この前のように風紀員室に連れてこられ入室を言い渡された。ただし今回室内に居たのは山西先生のみだった。そして山西先生より処罰を告げられた。と言っても今回は厳重注意ということでお咎めは無しとのこと。ただし次回は停学または退学もあり得るということだった。
僕は了承し風紀員室から出ていった。ちなみにもう竹刀の女子生徒は先に戻っていた。
にしても関係ない話だがなんであの娘はいつも竹刀を持っているんだろうと教室へ戻りながらも未だに気にしてしまう僕であった。
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