第13話  仮夫婦?

~美音会社~




部長  「え~、急なんだが、田村くんが異動することになった」


美音  (・・・・・・・急に)


京子  「美音おは~~」


美音  「あ、おはよう、昨日はほんとありがとう」


京子  「良いって事よ!それよりあんた昨日と同じ服だけど、そういうことで

     良いのかな?」


美音  「そ、そういうことってなによ」


京子  「明んち泊まったってことじゃないの?」


美音  「うぅ・・・ま、まぁ泊めてもらったけど」


京子  「とうとうあんたもってことね笑」


美音  「べ、別に何もないわよ、変な事いわないで」


京子  「え??男の家に泊まってなんにもなかったの?」


美音  「な、なにもないわよ!」


京子  「はぁ・・あんたもあんただけど、明も明ね・・よく我慢したわ・・」


美音  「それよりあいつ異動だって」


京子  「異動じゃないわ、クビよクビ」


美音  「え?」


京子  「あいつの言動に迷惑している女の子たちから署名もらって訴えたのよ」


美音  「すご・・・ぃ」


京子  「んで、とどめの昨日の録音と動画」


京子  「社会復帰できないようにしてやるわ・・・ふふふ・・・」


美音  「・・・・・・あ・・あはぁ・・」





~美音宅~





美音  (ふぅ・・・疲れた・・今日は早く寝よう)

    (・・・・・・・)


    (明さんちのマットレス寝やすかったな~今まで感じなかったけど

     うちのちょっと柔らかすぎな気がする新しいのに替えようかな)


    (どこで買ったんだろう・・・今度聞いてみよう・・・)


    (・・・・・・・・・・・・・・・・・・)


    (今聞いてみよう・・・)



    (昨日はありがとうございました、朝ごはんとても美味しかったです

     それで、明さんちのベットのマットレスがすごく寝やすかったのですが

     何処で買われたのですか?・・っと)


明   (美音さんからだ)

    (マットレスかぁうちのが体に合ったのかな)

    (〇〇店の2階で買ったんですよ、よければ買うの付き合いますよ)


美音  (本当ですか?では週末にいきたいのですがご予定は?)


明   (午後から予定があるのですが午前中なら大丈夫です)


美音  (では週末に、ありがとうございます!)


明   (このマットで・・・・寝たんだよな・・・・・ドキドキ・・・)




~週末~




明   「こんにちは、早いですね」


美音  「こんにちは、付き合って頂くのに待たせる訳にはいきませんよ」


明   「ではいきましょっか!」


美音  「はい」


明   「あ、美音さんこっちこっち!」


美音  「これですね~」


明   「おんなじの売っててよかったー、美音さんちょっと横になってみて

     感触確かめてみてください」


美音  「では・・・ゴロン」


明   「どうです?」


美音  「これです、すごく体にフィットする感じが良いです!」


明   「そうなんですよ!まぁまぁ値段は張りますが・・・」


美音  「あまりお金使わないのでちょっと贅沢してみてもよいかなって」


明   「美音さんあんまり物欲とかなさそうですもんね笑」


美音  「あまり気にならないといいますか・・・ブランド品とかも

     自分で買ったことないですからね・・・・必要ないんです」


明   「美音さんらしい感じですね笑」


美音  「それ・・・褒めてはいないですよね?」


明   「そ、そんなことは・・・・」


美音  「とりあえずこれ買ってきます」


明   「このあとお昼でもいきませんか?」


美音  「はい」



明   「お腹へった~ここの味噌ラーメンおいしいんですよ!」


美音  「そうなんですね、あまりラーメン屋さんとか入らないので」


明   (なんかラーメン食べる姿も品があるなぁ・・・・)


美音  「なんですか?」


明   「あ、いえ・・・」


美音  「ところでこの後ご予定があると言ってましたがどこかに

     お出かけですか?」


明   「はい、習い事の日なんですよ」


美音  「前におっしゃってましたね、何を習っているんですか?」


明   「サンドブラストって知ってます?」


美音  「いえ」


明   「ガラスのグラスやお皿に柄を貼ってというか切って専用の機械で

     色付けさせていくみたいな・・・」


美音  「どうして習おうと?」


明   「いやぁ・・一人なんで休みの日なんか特にすることもないのでお酒が

     飲めるグラスを作りたいなというただそれだけで・・・」


美音  「明さんらしいですね笑」


明   「あ、もしよければこのあと一緒に体験してみませんか?」


美音  「特に予定はないのですが、いきなり行ってお邪魔じゃないですか?」


明   「大丈夫ですよ、体験無料って言ってましたから」


美音  「そうですか・・では行ってみます」




~教室にて~




先生  「御手洗さんこんにちは」


明   「あ、こんにちは今日も宜しくお願いします」


明   「今日は、体験したいって人を連れてきたのですが」


美音  「よろしいのでしょうか?」


先生  「はい!もちろん!興味を持っていただけただけでうれしいですよ」


美音  「ありがとうございます」


先生  「ではやっていきましょう!」


明   「まずはどの形のグラスにするかと柄を決めましょう、美音さん

     どれにします?」


美音  「この柄、素敵なのでこれにします」


明   「こ、これ結構難しいですが・・もうちょっと初心者向けのが」


美音  「そうですか?そんなに難しそうに見えなかったので」


先生  「ではそれでやってみて難しそうなら御手洗さんに手伝って

     もらいましょう!」


明   「ひぃ~~」



明   (・・・・・・)


美音  (・・・・・・)


明   「美音さんすごく上手ですね、こういうの得意なんですか?」


美音  「いえ、得意ってほどでもないです」


明   「学生時代の工作成績とか満点数値だったのでは?」


美音  「まぁ・・そうですね」


明   「って美音さん頭も良いからオール満点って雰囲気ですね笑」


美音  「ま・・・まぁそんな感じですかね」


明   (冗談で言ったんだけどマジか・・・・すごいな・・)


美音  (家庭科だけ違うとは・・・・・言えない・・・・)


紗香  「御手洗さん、こんにちは!」


明   「あ、こんにちは~」


紗香  「今日もハラミちゃんの柄ですか?」


美音  「!!」


明   「そうなんですよ、どうしてもハラミになっちゃいますね」


美音  (この前楽しそうにお話してた人・・・)


紗香  「ところでそちらのすごい綺麗な方は御手洗さんのお知り合いですか?」


明   「あ、はい体験どうかなとおもぃ・・」


美音  「妻です」


明   「!!!」


紗香  「あ、、み、御手洗さんご結婚されてたんですか?」


明   「あ・・いや・・・あの」


美音  「新婚ホヤホヤです」


明   (え?!)


紗香  「そ・・そうだったんですね・・私全然しらなくて・・・」


明   「あ・・あはは・・・そうなんですよ・・」


紗香  「すごくお綺麗で女性の私からみてもすごく魅力的な方です」


美音  「・・・・・そんなことはないです」


明   (美音さん急にどうしたんだろう)


紗香  「ではまた!美音さんも次は色々と女性の磨き方とか教えてください!」


美音  「・・・・また」


明   「び、びっくりしましたよ」


美音  「何がですか?」


明   「あ、いやその・・」


美音  「事実を言っただけです、それに周りにもちゃんと理解してもらわないと

     困ります」


明   「あ、いや、」


美音  「明さんもちゃんとはっきり言ってもらわないと、あの子明さんを

     意識してましたよ」


明   「あの・・・そうではなくて・・・」


美音  「だいたい、明さんは普段ふわっとしすぎというか、みんなに優しすぎ

     なんじゃないですか?」


明   「そ、そんなことはないと思いますが、僕がビックリしたのはですね」


美音  「か、仮とはいえ、私と籍をいれてるんですから、変な期待とか

     持たせたらどうするんですか?」


明   「そうではなくて、僕がビックリしたのは・・・」


美音  「なんですか?!」


明   「ホヤホヤって最近耳にしないなって笑」


美音  「そこですか!!?」


明   「あ・・・・あは・・・」



明   「でも美音さんがあんな勢いで話するのはじめてみましたよー」


美音  「・・・・・・・そうですかね」


美音  (なんか・・・モヤモヤする・・・この前もそうだったっけ)


明   「あ!美音さん見て!あの屋台のおでん屋さん惹かれませんか?」


美音  「ま・・・まぁ」


明   「ちょっとだけ付き合ってもらえませんか?」


美音  「熱燗飲ませてくれるなら良いですよ」


明   「もちろんです!」


美音  「ふふふ・・」




明   「おでんすごく美味しかったですね」


美音  「はい、味がよく染み込んでて美味しかったです」


明   「では僕はこっちなんで、またなにかあったら連絡ください!」


美音  「はぃ、おやすみなさい」


美音  (なにかあったら・・・・か・・・)




~次の日~




上司  「冴島君、ここの数字間違ってるぞ」


美音  「も、申し訳ありません。すぐに修正します」


上司  「君がミスするのを初めて見たな、珍しいこともあるもんだ」


美音  「・・・・・・」


京子  「美音~お昼いこー」


美音  「うん・・・・」


京子  「カルボナーラ1つと、あとカ・・・」


美音  「オムライスください」


京子  「めずらしいわね」


美音  「あ、た、たまには・・・ね」


京子  「モグモグ」


美音  「モグモグ」


美音  (明さんが作ってくれた方のがおいしぃな)


京子  「さて・・・っと」


美音  「なに?」


京子  「聞かせてもらおうかしらね」


美音  「な、なにを?」


京子  「あんたの中の色々よ」


美音  「なによ・・それ」


京子  「私がわからないとでも思ってる?」


美音  「なんのことよ」


京子  「いいかげん怒るわよ?」


美音  「・・・・・・・」


京子  「・・・・はぁ」


京子  「口にしたくないなら私が言ってあげるからあんたは

     頷くだけでいいわ」


京子  「明の事でしょ」


美音  「・・・・・・・・・・コクリ」


京子  「当初の予定とは大きく心境がかわった、明と接するうちに

     どんどん惹かれていくようになった」


美音  「・・・・・」


京子  「こ~ら」


美音  「・・・・・コクリ」


京子  「でも自分の気持ちはそうじゃないと思い込まないと今までの自分が

     自分じゃなくなってしまう・・・それに明にこの結婚の本当の

     秘密を提案したのは自分だからこのままじゃないと・・・て」


美音  「・・・・・コクリ」


京子  「あとは・・・・怖いのね」


美音  「!!」


京子  「もし明に本当の事を言って万が一拒否されたときの事を考えると」


美音  「・・・うん」


京子  「だったら仮でもこのままでいたほうが良いと思ってるのね」


美音  「・・・・・コクリ」


京子  「はっきり言うわね、そのままで良いと思ってるならそのうち

     あんたおかしくなるわよ」


美音  「・・・・・」


京子  「もう全部言わなくても自分自身でわかってるとは思うけど」


京子  「まぁ~あんたの気持ちもよくわかるけど時間を掛ければかける

     ほどもっと膨らんでいくわよ」


美音  「・・・・・」


京子  「下手な事は言えないけど、私なら今すぐにでも気持ちを

     伝えにいくわね」


美音  「・・・・そう」


京子  「でもあんたが男性に惹かれて一人前に恋してるのすごく

     うれしいよ」


京子  「どんな結果になっても私は応援してるからね、当たって砕けろよ!」


美音  「く、砕けるんだ・・・」


京子  「あはは~~例えよ、た・と・え!」




美音  (京子はあぁは言ってたけどすぐに気持ちを伝えるなんて私には無理)

    (はぁ・・・・・モヤモヤする)


(ピローン)


美音  (あ、明さんからメール)


明   (明日のお休み何されてますか?たらこの猫タワーを買いに行こうと

     思ってるんですが一緒に選んでもらえませんか?)


美音  (やった・・・会える)


    (予定はないのでご一緒しますっと)


    (ドキドキする・・何着ていこうかな)







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