第11話 変化

美音  「部長、会議資料まとまりました」


部長  「ありがとう、ところで冴島君、結婚生活はどうだぃ?」


美音  「・・・・ふ、普通です」


部長  「普通か、君らしいな」


美音  「・・・・」


部長  「君みたいな女性を奥さんにしたんだ、旦那さんも鼻が高いだろ!」


美音  「そんなことはないと思います、では」




同僚女B「ん?」


同僚女B「冴島さん、ハンカチ落ちましたよ」


美音  「ん?ありがとうございます」


同僚女B「!!!」


同僚女B「・・・今、ありがとうって・・・」


同僚女A「まじ?あの冷子さんがお礼言うなんて・・・・」


同僚女B「結婚して丸くなったのかしら」


同僚女A「男次第で性格変わるっていうからね~」



京子  「美音~今夜飲みにいこー」


美音  「今日はちょっと用事があって」


京子  「明とデート?」


美音  「そんなんじゃないけど」


京子  「そんなんじゃないけど、明と会うのね~」


美音  「ま、まぁ」


京子  「仲が良いことで~じゃー明に宜しく言っといて!」


美音  「うん、わかった」


京子  (ずいぶんと素直になったわね笑)



明   「美音さん、こっちですー」


美音  「ごめんなさい、遅くなてしまって」


明   「いえいえ大丈夫ですよ」


明   「とりあえず何か注文しましょうか、美音さんはカレーですか?」


美音  「・・・あ、いや、あ、カレーでお願いします。」


明   「これ見てください!ハラミとたらこが抱き合って寝てるんですよ!


美音  「ほんとですね!可愛い・・・・」


明   「だいぶ二人とも慣れて、今では同じトイレですることもあるんですよ」


美音  「そうなんですね、またご飯買っていきますね」


明   「ありがとうございます」


美音  「ちょっとお手洗いに行ってきます」


明   (美音さんほんとにカレーが好きなんだな、今度練習してみるかな笑)


紗香  「あ!御手洗さん!こんばんは!」


明   「あ、紗香さん!偶然ですね!」


紗香  「はい!学生時代の友人とばったりあってそのままお茶しようって

     ことなって~」


明   「そうなんだ~!僕も・・・・し、知り合いと食事に・・」


紗香  「そうなんですね~」


美音  (あれ?・・・・知り合いかな?二人とも楽しそうに話してる・・)


美音  (とっさに隠れちゃったけど・・・べ、別に隠れる必要ないわよね)


紗香  「じゃーまた教室で!お茶してくれる件も忘れないでくださいね///」


明   「了解!じゃーまた~」


美音  「お知り合いですか?」


明   「あ、習い事の教室でよく会う生徒さんなんですよー」


美音  「そうですか、ずいぶん仲がよさそうに見えましたが」


明   「え?あ、そうですかね、前に終わった後にお茶したくらいですけど」


美音  「ふーん、そうですか」


明   「あ、はぃ・・・」


明   (なんか急に不機嫌になったような・・・・)



美音  「では私はこっちなので、おやすみなさい」


明   「は、はい、おやすみなさい」


美音  (・・・・・・・)


美音  (なんか・・・・モヤモヤする・・・)




~次の日~




京子  「んで昨日は明とどうだったのよ~~?」


美音  「別に、特になにもないわよ」


京子  「・・・・ふーん、喧嘩でもした?」


美音  「べ、別にしないわよ、喧嘩するほどの仲でもないし」


京子  「あんたってほんとわかりやすいわね」


美音  「な、なにがよ」


京子  「まぁいいわ、それより聞いた?」


美音  「何?」


京子  「人事異動の話よ、本社から例の田村がこっちにくるって話」


美音  「あぁ、詳しくは聞いてないけど」


京子  「あんた気をつけなさいよ、なんでもあいつ仕事はできるけど

     かなりの女好きらしいから」


美音  「関係ないわ」


京子  「あんたを見て黙ってるとは思えないけど」


美音  「わ、私、人妻よ?」


京子  「あれ?そうだったっけ?笑」


美音  「そ、そうよ!」


京子  「そんなのあいつには通用しないかもしれないわよ。良い女なら

     人妻だろうが関係ないって感じらしいし」


美音  「・・・・」


京子  「とにかく忠告したからね、まぁ何かあったら旦那に相談しなさいよ」


美音  「・・・・・」



部長  「すでに皆さんには連絡してあるが今日から田村君が異動でうちの

     課にきたのでよろしく頼む」


田村  「しばらくこちらでお世話になるので皆さんよろしく」


田村  (ほぉ~上玉発見)


美音  (・・・・・・すごい見てる)



田村  「冴島さん、今日から宜しく」


美音  「宜しくお願いします」


田村  「冴島さんは旧姓なんでしょ?今は?」


美音  「御手洗です」


田村  「ふーん、そんなんだ、冴島さんもかなり仕事が出来るって聞いてる

     から一緒に仕事できるのが楽しみだよ」


美音  「私は普通です」


田村  「またまたご謙遜を、まだここの事はわからないことだらけだから

     色々と教えてほしいな」


美音  「私のわかる範囲であれば」


田村  「さっそく今夜食事でもしながら色々と話しでもしない?」


美音  「それは困ります」


田村  「なぜだい?」


美音  「私、結婚してますから」


田村  「だから何?」


美音  「だ・・・だから勤務時間以外でほかの男性とは」


田村  「別に不倫になるわけじゃあるまいしただ食事して話する

     だけじゃない?」


美音  「・・・・・とにかく行きません」


田村  「ほー、まぁいいよ、次の機会にでも」


美音  「・・・失礼します」


美音  (なんなのあの人・・・)



京子  「さっそく狙われたわね笑」


美音  「私の一番嫌いなタイブ」


京子  「あんたじゃなくても嫌なタイプよ笑」


美音  「男なんてみんなあんな感じだけどね」


京子  「あら?明は違うんじゃない?」


美音  「・・・・・・・まぁ」


京子  「明が旦那でよかったわね!笑」


美音  「あ、あくまで仮よ」


京子  「はいはい・・」


美音  「・・・・・・・」


美音  (今日もなんか疲れた・・・)


(ピロ~ン)


美音  (明さんからだ・・・動画??)


明   (こんなところまで登れるようになりました!)


美音  (たらこすごい~!)


明   (いつでも会いに来てくださいね!)


美音  (ありがとうございます)



美音  (ちょっと癒されたかな//)



~次の日~ 



田村  「冴島さんおはよう」


美音  「おはようございます」


田村  「今日も綺麗だね、旦那さんがうらやましいよ」


美音  「・・・・・・・・・・・」


田村  「ところで今夜の予定は?」


美音  「予定がありますので」


田村  「そんなに警戒しないでくれよ、今日じゃなくてもいいんだけど

     近いうちにコミュニケーションとして一度食事にいこうよ

     部長も一緒だし」


美音  「・・・・・・・」


田村  「これも仕事だと思って、今週末どうかな?」


美音  「・・・・わかりました」


田村  「OK~じゃー週末に、楽しみにしてるよ」





~週末~




美音  「お待たせしました」


田村  「お疲れ様、さぁ座って」


美音  「あの、部長は」


田村  「来れなくなったって」


美音  「!!!」


美音  「なら帰ります」


田村  「ちょっとちょっと、ここまで来てそれはないだろ少しくらいいだろ」

田村  「本当に部長は都合悪くなったんだよ」


美音  (絶対嘘)


田村  「これから仕事やりづらくしたくないだろ?だから少し付き合えよ」


美音  「・・・・・すぐ帰りますから」


田村  「ふふ、、何飲む?」


美音  「水で」


田村  「ワインを頼んだんだ、一杯くらい飲みなよ」


美音  「結構です」


田村  「冷徹女は卒業したってきいたけど?」


美音  「なんの話ですか?」


田村  「会社中の噂だったみたいじゃん?君が冷たい女だったけど結婚して

     丸くなったって話」


美音  「別になにも変わってませんしあなたにそんなこと言われる事

     ではありません」


田村  「まぁまぁ、それで旦那とはどうなの?うまくいってる?」


田村  「不満があるなら俺に言ってよなんでも聞くよ?」


美音  「あなたには関係ないです」


田村  「ほー、まぁ旦那に物足りなかったら俺はいつでもいいよ、満足させて

     あげれるから」


美音  「結構です」


田村  「まぁ落ち着けって、別に喧嘩しに来たわけじゃないだろ」


美音  (ほんと最低なやつ)


田村  「一杯くらい飲めって、それ飲んだらお開きにするからさ」


美音  「・・・・・・・・・・」


美音  「ゴク・・ゴク」


美音  「では私はこれで」


田村  「ちょっとすぐってのはダメだよ、あと5分くらい話はしよう」


美音  「・・・」


田村  「でさぁ~~・・・・・・」


美音  (自慢話ばっかり・・・・こんなやつがなんでモテるんだろう)


田村  「すごいだろ~~~」


美音  「では私はそろそ・・・・・フラッ・・・あれ・・」


田村  「・・・・・・ふ」


田村  「大丈夫かい?ちょっと飲みすぎたんじゃないかな?」


美音  (どうしたんだろ・・・急に頭がグラグラする・・・・)


田村  「ふふふ、ちょっと違うところで休憩でもしていこうゆっくり

     出来るところで」


美音  (!!この人なにか飲み物に・・・・・ダメだ・・・体が・・・・)

田村  「僕が支えてあげるから、さ、お店でよっか」


美音  (い、嫌・・・絶対いや・・・・)


田村  (こんないい女となんてなかなかないぜ・・・ふふ)


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