第10話 二人を繋ぐミァ~オ

~昼休み~



京子  「美音ーこっちこっち~カレー頼んどいたよ。」


美音  「それで話ってなによ?」


京子  「いやぁ~昨日は楽しかったね~明の奴大丈夫だったかなー」


美音  「あんた飲みすぎ!それに呼び捨てにしないでよ!」


京子  「いいじゃない別に!しかしなかなかいい奴だったよ!」


美音  「・・・・・・・」


京子  「それにあんた、あいつの前では良くしゃべるじゃない」


美音  「そ、そんなことないわよ」


京子  「あんたね~私との付き合い長いのよ?その私が言ってるんだから」

美音  「そ、それは・・」


京子  「あんたはどう感じてるか知らないけど仮とはいえ、ちゃんと

     あんたのこと見てるじゃない」


美音  「なにが?」


京子  「はぁ・・これだからあんたは」


京子  「昨日、美音はどんな感じの人に見える?て、あいつに聞いたの

     覚えてる?」


美音  「うん」


京子  「同じ質問を私がされたら同じこと言ったわよ」


美音  「・・・・・・・」


京子  「それに、あんたの容姿については一切話でなかった、あんたの

     内面の事だけよ?」


美音  「そう・・・だったかしら」


京子  「はぁ・・・なんかこの前の社長息子よりももったいない気が

     してきたわ・・・ボソ」


美音  「なに?」

京子  「なんでもないわよ、もうお昼休み終わるからいくわよ!

     ダジャレ王さん!」


美音  「!!!」


美音  「ダ、ダジャレなんて言ってないから!ほんとだから!

     ね、ちょ、ちょっと!」




美音  (今日はなんか疲れた、二日酔いだったし)

    (早く帰ってお風呂に入ってすぐ寝よう)



?   「ミヤァァ~オォォ」


美音  (ん?なにか聞こえた気がするんだけど・・キョロキョロ)


?   「ミヤァァ~~~オ」


美音  (あ、子猫だ)


子猫  「ミヤァァァ~~オォォーーー」


美音  (こんな小さな子が精いっぱいの声で・・・・完全に一人だ

     親とはぐれたのかしら)


美音  (ごめんね、うちでは飼えないしどうすることもできないの)

美音  (・・・・ごめんね)


子猫  「みぃ・・・・ヤァ・・・」


美音  (この子、もう動く力もないし声も限界、ていうか目が

     閉じちゃってる)


美音  「大丈夫??」


子猫  「ヤァ・・・」


美音  (どうしよう・・・・だめだこのままじゃこの子死んじゃう・・)

    (こんな時間に病院なんて・・・・)


    (!!!)


    (ハラミ!明さんなら)



(PPP~)



明   (美音さんからだ、どうしたんだろ)


明   「もしもし、どうしたんですか?」


美音  「もしもし明さん、子猫が、子猫が今にも死んじゃいそうで・・・

     どうしたらいいか」


明   「ちょっと落ち着いて、子猫拾ったんですか?」


美音  「いや、帰り道にポツンと一人でいて周りに親らしき猫もいなくて

     目も閉じちゃってて今にも死んじゃいそうなの・・・・

     ど、どうしたら・・・」


明   「とりあえず今すぐ行くから、場所は?・・・・・」



美音  「大丈夫だよ、すぐ助けに来てくれるから・・死んじゃだめ、頑張って」


子猫  「・・・・・ァァ」


美音  「早く・・・明さん・・」


明   「美音さん!」


美音  「明さんこっち!」


明   「おぃ、大丈夫か?」


子猫  「・・・・・ァ」


明   「ハラミが行ってる病院は緊急もやってるから連れて行こう!」


美音  「ど、どうやって」


明   「タクシー捕まえよう」


明   「運転手さんこっち!!」


運転手 「動物は困るよ、ダメダメ」


美音  「そ・・・そんな」


明   「なにいってんだ!命にかわりはないだろ!このまま死んだらあんたの

     会社に電話して、嫌っていうほどクレームいれるぞ!」


運転手 「そ、そうは言われても・・・」


明   「いいから乗せろ!!」


運転手 「わ、わかりましたよ、早く乗ってください」


明   「ありがとうございます・・・」


美音  (・・・・・・・・・・・・・・・)



獣医  「正直難しかもしれません、衰弱度と猫風邪もひいてます

     とりあえずしばらくは入院させましょう」


明   「はい・・お願いします」


美音  「・・・・お、おねがいします・・グスン」


明   「・・・大丈夫ですか?」


美音  「なんとか生きてもらいたいです・・・」


明   「大丈夫ですとは、いきれませんがやれることはやったのであとは

     あの子の生命力を信じましょう」


美音  「・・・はぃ、助けてもらってありがとうございます」


明   「・・・・・・」





~数日後~





獣医  「とりあえず命の危険性は大丈夫そうです、目も時期に開くとは思い

     ますがもうしばらく入院したほうが良いですね、まだ自力でご飯は

     食べれないので」


明   「そうですか、ありがとうございます。明日また様子見に来ます」


美音  (よかった・・・)


明   「良かったですね!」


美音  「はぃ、色々とご迷惑かけちゃいましたね」


明   「いえいえ、それより今後あの子どうするつもりなんですか?」


美音  「はぃ・・私もあの後色々と考えたのですがうちではペットNG

     なので・・・・これ、作ってみたのですが・・」


明   「里親募集ですね!」


美音  「はぃ、病院にもすぐに貼ってもらったり、ネットで色々と

     やってはみたのですが」


明   「見つからないですか?」


美音  「・・・はぃ」


美音  「このまま見つからなければ、ペット可の所に引っ越そうかとも

     考えてます・・」


明   「・・・・・・・・そ、そういえば~」


美音  「・・・?」


明   「ハ、ハラミがそろそろ妹がほ、ほしいって言ってたなぁ~~」


美音  「!!」


明   「なので、うちで引き取らせてもらっても良いですか?」


美音  「明さん・・・」


明   「い、いやハラミがそう言ってたんですよ」


美音  「ありがとぅ・・・」


明   「な、名前、どうしましょうかね!」


美音  「実はもう決めてあるんです」


明   「お!どんな?」


美音  「・・・たらこ」


明   「たらこ・・・・っふふ」


美音  「笑うと思いましたよ」


明   「あ、ごめんなさい、でもなぜたらこなんですか?」


美音  「なんとなくです」


明   「ハラミと同じですね笑」





~引き取り当日~





美音  「明さん、すみません部長につかまっちゃって遅れました・・」


明   「大丈夫ですよ、それよりほら」


たらこ 「ミアァァ~~~ァ!」


美音  「たらこ!」


明   「もう心配ないってそれどころか元気ありすぎって言ってましたよ」


美音  「よかったー」


明   「このまま、たらこのご飯とオモチャ買って帰ろうと思うのですが

     一緒に行きませんか?」


美音  「もちろんです、私、買ってあげたいし」


明   「沢山買いましたね笑」


美音  「ハラミちゃんにもお世話になるし、ハラミちゃんの分も」


明   「ありがとうございます」


明   「良かったらハラミに会っていきますが?たらことの初対面

     でもありますし」


美音  「・・・・・・」


明   「あ、男の部屋に行くのはあれですね笑、すみませんでした・・・

     沢山写メ送りますね!」


美音  「・・・行きます」


明   「わ、わかりました」




~明宅~




明   「ただいま~ハラミ~~」


ハラミ 「ミアァァ~~~」


美音  「お、お邪魔・・します」


明   「あ、適当にしててください、汚くてすみません・・」


明   「ほら~たらこ~出て良いぞ~」


たらこ 「ミヤァ~~」


ハラミ 「ミヤァ~~」


美音  「あ、二人でくっつきあってます!」


明   「ハラミが受け入れてくれたんですね!えらいぞ~ハラミ」


ハラミ 「ミヤァ~~」


美音  「ハラミちゃんありがとう」


明   「美音さん良かったらご飯たべていきませんか?」


美音  「明さんが作るんですか?」


明   「はい、あるもので作りますが、得意料理があるんですよ」


美音  「・・・ではお言葉にあまえて」


明   「じゃー適当に二人と遊んでてください」


美音  「はぃ」



明   「できましたよー」


美音  「オムライスですね」


明   「結構自信あるんですよ~どうぞ」


美音  「では・・・いただきます」


    (お、おいしい・・・・)


明   「ど、どうですかね?」


美音  「す、すごくおいしいです・・・」


明   「よかった~」


美音  (無心で一気に食べてしまった)


美音  「ごちそうさまでした」


明   「おいしそうに食べてくれて作った甲斐がありました」


美音  「明さん料理上手なんですね」


明   「いえ、オムライスだけです笑」


明   「母が良く作ってくれて唯一教えてもらった料理がこれなんです」


美音  「そうなんですね」


ハラミ 「zzz」


たらこ 「zzz」


美音  「二人とも寝てる・・・落ち着いたんだ・よかった」


明   「もう大丈夫ですね、たらこの面倒は僕とハラミでみますから

     心配しないでください」


美音  「ま、また会いに来ても良いですか?」


明   「もちろんです」


美音  「ありがとうございます、、では私はそろそろ」


明   「駅まで送っていきます」


美音  「はい・・」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る