第6話 仮なりに
明 「とりあえず籍は入れましたが、これからどうしていきましょうか・・」
美音 「そうですね、住まいは今まで通り別々で生活」
美音 「最低限以外は干渉しあわない」
明 「本当に籍だけいれてあとは今までとなんら変わりない感じですね」
美音 「それはそうです、その為の結婚ですから」
明 「ではなんら変わりなく生活できるわけですね」
美音 「そうでもないですよ、式は挙げなくて良いにしてもお互いの親への
挨拶や上司、同僚への顔合わせ等、最低限やることはあります。」
明 「あぁ・・そうですよね、しかし冴島さん色々なところに気付きますね」
美音 「その呼び方も気を付けないとだめですよ、親族の前で冴島さんは
ないです」
美音 「私は明さんと呼ばせていただきます、御手洗さんは美音とでも
呼んで頂いて結構です」
明 「呼び捨てはちょっと抵抗があるので僕も美音さんと呼ばせて
いただきますさん付けする旦那さんもいると思いますので。」
美音 「なんでも良いです」
美音 「それとお互いの連絡先は交換しましょう少なからず色々やり取りは
あるでしょうから」
明 「そうですね、周りにはもう話して良いですよね?」
美音 「そうしてください、あとは顔合わせ等の時に合流して
やり過ごしましょう」
明 「了解です」
美音 「では・・私はこれで何かあったら連絡ください」
明 (仮とはいえ、世間一般では俺・・・結婚したんだよな・・・・)
~駅前の居酒屋にて~
同僚B 「おう!お前から誘ってくるとはめずらしなこの前のイベントの話か?」
明 「あぁ、そうなんだけどさ、俺、結婚した」
同僚B 「は?何言ってんだ?」
明 「だからこの前行ったイベントで知り合った人と結婚したんだよ」
同僚B 「嘘だろ?」
明 「まじだよ」
同僚B 「だってお前、イベント行ったの先週の話だろ?」
明 「そ、そうなんだけどさ、な、なんていうかな・・・この人だ!って
思ったっていうか」
同僚B 「それにしたって会っていきなりかよ!普通付き合ってからだろ」
明 「だ、だからお互いにビビッってきたというか」
同僚B 「お前・・・・」
同僚B 「意外と情熱的なのな」
明 「俺も意外だったよ・・・」
同僚B 「じゃー結婚式前に一度紹介しろよな」
明 「式はやるつもりないんだ」
同僚B 「そうなのか向こうさんはそれで良いって?」
明 「あぁ」
同僚B 「まぁ式やらないのなんて最近ではめずらしくもないしな」
明 「ち、近いうちに紹介するよ」
同僚B 「びっくりしたけどとりあえずおめでとう!今日はお前のおごりな!」
明 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
京子 「ま、まさか本当に結婚するとはね・・・・・」
美音 「私もびっくりしてる」
京子 「まぁこれであんたも晴れて人妻ってことね」
美音 「変な言い方しないで、あくまでも籍を入れただけで他人よ」
京子 「世間一般では立派な人妻にはかわりないでしょ」
美音 「ま・まぁそうだけど」
京子 「あんたに先越されるとはねぇ~~」
美音 「京子が勧めたことじゃない」
京子 「そうなんだけどまぁ半分冗談~みたいな笑」
美音 「・・・・・・・・・・あんたね」
京子 「でも結果オーライじゃない、これでもう結婚しろとか
言われなくなるわよ」
美音 「まぁそうだけど」
京子 「まだなにかあるの?」
美音 「会社には言ったんだけど、まだ家族には言ってなくて」
京子 「それは早く言ったほうがいいわね色々と順番がちがうけど・・・」
美音 「今日にでも言おうと思ってる」
同僚女A「冴島さん結婚したって話きいた?」
同僚女B「聞いた聞いた、びっくりしたよ」
同僚女A「まったく噂すらなかったのになんだかんだ宜しくやってたのね~」
同僚女B「冷徹冷子は今日で引退かなぁ~笑」
同僚女A「どんな物好き男なのかしら」
同僚女A「すぐ別れるんじゃない?アハハ~」
美音 「同僚女Bさん、この書類誤字脱字が多すぎですちゃんと確認してから
提出してください、時間の無駄です」
同僚女B「あ、はい、すみません」
美音 (フンッ)
~その夜~
(PPP~)
美音母 「もしもし美音?めずらしいいわね、そっちから電話してくるなんて」
美音 「そうだね・・実は折り入って話があって・・・私・・・結婚した」
美音母 「な、、、なに言ってるのよ!結婚したい人がいるとかじゃなくてもう
したって事!??」
美音 「う・・うん」
美音母 「・・・・・・あんたにはほんとに呆れる」
美音 「お、お母さんだって早く結婚しなさいって良く言ってたじゃない!」
美音母 「そうだけど、順序ってものがあるでしょ!!」
美音 「・・・・・・・・」
美音母 「とにかくお父さんやお姉ちゃんにも言っておくから近いうちに
二人できなさいよ!」
美音 「・・・・・うん」
美音 (はぁ・・・と、とりあえず何とかなったけど・・・これからが大変だ
明さんには連絡しておかないと)
明 (ん?美音さんからメールだ)
美音 (明日、話したい事があるので夜どこかでお会いできませんか? )
明 (どうしたんだろう、何か問題かな、同僚Bにも合わせる話したいから
丁度よかった。 了解です、よかったら夜ご飯でも食べながらは
どうですかっと)
美音 (わかりました、では19時に駅前のファミレスではいかがでしょうか?)
明 (了解です、宜しくお願いします)
明 (あれ以来会ってないから久しぶりな感じだな、一応夫婦・・だもんな)
~ファミレスにて~
美音 「お待たせしました」
明 「あ、こんばんは」
明 (やっぱりすごい綺麗な人だな・・・・スーツ姿がまた素敵だ)
美音 「どうかされましたか?」
明 「いぇ・・別に・・それでお話とは?」
美音 「明さんご両親にはお話されましたか?」
明 「あ、はい・・すごく驚かれました、しかもまずは会わせてからだろ!
だの式はどうするだのって、もう・・・・」
美音 「私の方もです」
明 「あ・・あはは~ですよね」
美音 「まぁこれは想定の範囲内ですからあまり驚きもしませんが
行く事にはなります」
美音 「顔合わせに行く順序はどちらからでも良いですが」
明 「まずは美音さんのお家からで良いですよ」
美音 「わかりました、ではうちからいきましょう、ただ〇〇県なので
土日で行く感じになってしまいますが大丈夫ですか?」
明 「明日の土曜日は昼に予定があるので来週なら大丈夫ですが」
美音 「わかりました、では来週予定しましょう、明さんのお宅はどちらなの
ですか?」
明 「うちは○○町なので30分もあれば行けます」
美音 「ではその次の週あたりでお伺いさせて頂く感じで宜しいですか?」
明 「そうですね、それで大丈夫です」
明 「話も終わったことですし、何か食べませんか?」
美音 「そうですね」
明 「すみませ~ん、ハンバーグ定食と~」
美音 「カレーライスお願いします」
明 「結婚して以来、周りからは驚かれてばかりですよ笑」
美音 「始めはそうですね、まぁそのうち落ち着いて、私たちが求める通り
もう周りからは言われなくなります」
明 「そうですね、あ、今度同僚が会わせろって言われてい
るのですが・・・・・」
美音 「・・・・・・・・わかりました」
明 「ありがとうございます」
美音 「食べ終わりましたし、行きましょうか」
明 「あ・・はい・・・」
レジ 「お会計1952円になりますご一緒で宜しいですか?」
明 「あ、ここは僕が出します、いっしょで・・・」
美音 「別々でお願いします」
明 「あ、ここは僕誘ったのでご馳走しますよ」
美音 「いえ、奢られる義理はありませんので」
明 「あ・・・あ・・そうですか」
(PPP~)
美音 「ちょっとごめんなさい、もしもし、お姉ちゃん?どしたの急に?」
明 (結婚してるとはいえまぁ結局は他人だからね・・・・でもなぁ。。)
美音 「え???え???・・・・・・・」
明 (どうしたんだろ、トラブルか何かの電話かな)
美音 「ちょ・・ちょっとおねぇ・・ガチャ」
明 「ど・・どうしたんですか?」
美音 「・・・・・・明日、、両親と姉がこっちに来るって・・・・」
明 「ふぇ?」
明 「明日ですか・・僕はどうしたら・・・」
美音 「・・・・・・・・どうしよう。」
明 「・・意外です」
美音 「な、何がですか?」
明 「あ、いえ、いつも冷静なんで慌てるところもあるんだなぁと思って」
美音 「そ、そんなつまらないこと言ってないであなたも考えてください!」
明 「まぁとりあえずベンチにで座ってからにしましょう」
美音 「・・・・・はぃ」
明 「はい、コーヒー」
美音 「あ・・・」
明 「これは奢りですよ、僕が勝手に買ったんでいらなかったら
捨ててください」
美音 「・・・・・いただきます」
二人 「ゴク・・・ゴク・・・ふぅ」
明 「まずご家族には僕たちがどこに住んでるってことになってるん
ですか?」
美音 「・・・良いところが見つかるまで、二人で私のマンションに
住んでいる事になってます。」
明 「その家に皆さん居らっしゃるってことですよね?」
美音 「はぃ」
明 「確認なんですけど、明日僕も皆さんに会うってことになるので
あれば美音さんのお家に僕が入るってことになりますがそれは
大丈夫ですか?」
美音 「!!!」
明 「それが無理なのであれば外で食事にするとか」
美音 「二人の生活が見たいから、うちに行きたいって・・・」
美音 「しかたないですね、了承します」
明 「わかりました笑」
美音 (男性が家に・・・・・・・・)
明 「それと一緒に生活しているっぽく見せるためには全部とは言わ
ないけれど男性物の生活用品とか置いとかないとですね。」
美音 「た、たとえば?」
明 「そうですね・・洋服や靴、歯ブラシくらいは置いておかないと
ですかね」
美音 「・・・・・」
明 「明日は何時にくるんですか?」
美音 「12時くらいにうちに来るっていってました・・」
明 「では明日午前中にでも美音さんのおうちの近くまで持って
いくので適当に置いといてください」
美音 「はぃ・・・」
明 「あとは話合わせとかなければならないことってあります?」
美音 「特にはありませんが・・・出会って間もなくして結婚したって
ことになってるくらい・・・」
明 「わかりました、話しを合わせるようにしますね」
明 「明日は昼から少し用事がありますんで16時くらいに美音さんの
お家にいくようにします」
美音 「よ、宜しくお願いします。」
明 「さて、帰りましょうか、少し遅くなってしまったんで駅まで送ります」
美音 「あ、ありがとうございます」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます