第5話 仮の夫婦・・・

~喫茶店にて~



明   (なんか変なことになったなぁ・・でも間違いなく結婚してくださいって

     言ってたし・・・・しかもこんな美女が

    (俺・・・・たぶん・・・変な壺売られるんだ・・・・・)



女   「いきなりでごめんなさい、冴島美音と言います、歳は28歳です。」


明   「あ、御手洗明、32歳です」


美音  「あの・・・・ですね」


美音  (やばい・・・なんて話たら良いかまったく考えてなかった・・・)


明   「あの・・・・・僕になにか売るつもりとか・・・ですか?」


美音  「ふぇ??」


明   「いきなりあなたみたいな美人な方が結婚してくださいっていうし

     二人になるように会場から離れたし、それしか思いつかなくて」


美音  「・・・・プッ・・フフフ」


美音  「違います笑・・なにを言い出すのかと思いましたよ」


明   「あ・・違うんですか?よかった・・」


美音  「遠まわしに話するのが苦手なのでご了承ください」


明   「あ・・はぃ」


美音  「御手洗さん、結婚する気ないのにイベントに参加されましたよね?」


明   「え??あ、、はぃ・・・ってなぜわかったんですか?」


美音  「盗み聞きするつもりはなかったのですが、イベントが始まる前に

     どなたかと電話でお話してるところを聞いてしまって」


明   「聞かれちゃってましたか・・・すごく失礼なお話ですよね・・

     真剣に参加されてる方もいらっしゃるっていうのに」


美音  「それに関しては私には非難できません、私も似たような思いで

     参加しましたから」


明   「そうなんですか?」


美音  「はい、それでここからは私の想像でお話させていただきます」


明   「・・・・・・・はぃ」


美音  「結婚する気はないけど結婚相談所に誰かに無理やり行かされた」


美音  「32歳でイベントにきて社会勉強のつもり的なノリで参加」


美音  「容姿も極端にもてなそうな感じではない」


明   「・・・・・・・・」


美音  「あくまで可能性としてですが、結婚に魅力は感じないが周りから

     結婚しないのかとよく言われしかたなく参加した・・・・・・

     私の推理どうでしょうか?」


明   「・・・・・ほぼ当たってます。あの・・占い師の方ですか?」


美音  「だから、変なものも売らないし、占い師でもないです!」


明   「ぷぷっ・・売らないと占いを掛けたんですね!お上手です!」


美音  「ちがっ!違いますよ!別にダジャレを言っているわけではないです!」


明   「あ、そうだったんですね、すみません。」


美音  (もぅ・・調子くるうなぁ・・)


美音  「あなたも私も結婚生活には興味はない、でも年齢的に

     周りから嫌というほど追いつめられる」


明   「ごもっともです」


美音  「なので籍はいれるけど、今までとなんら変わりのない生活をおくる・・」


明   「・・・・・・・・」


美音  「言っている意味わかりますよね?」


明   「はい・・なんとなくは・・」


美音  「ですから、もう一度言います」


美音  「私と結婚してくれませんか?」


明   「あの・・ひとついいですか?」


美音  「なんでしょう?」


明   「別に籍を入れる必要はないんじゃないでしょうか?周りには

     結婚しているってことだけにすれば・・」


美音  「それではダメです、本当に結婚して籍をいれてなければどこかで

     ボロがでます会社にも、お互いの家族にもそのうちバレます」


明   「・・・・・・ゴクッ」


美音  「私の提案は以上です。」


明   (たしかに・・・・この先も誰かと一生とか考えてないし、かといって

     周りからは今以上にうるさく言わるだろう。ならいっその事仮でも

     結婚しているとしておけばストレスもだいぶ無くなる・・・・・)


明   「・・・・・・・・・・・・・・」


美音  「・・・・・・・・・・・・・・」


明   「わかりました。結婚しましょう。」


美音  「え??ほんとうにそれで良いのですか?」


明   「え?あなたが言い出した話ですよね?」



美音  (本当に結婚することになると思わなかった・・・・・)

    (でもここまできてもう後戻りなんて出来ない・・)


明   「これから宜しくお願いします」


美音  「こちらこそ宜しくお願いします」




~こうして奇妙な結婚生活がはじまる~

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