第2話 願望なし女

女   「それはそちらの不手際では?」


他部署人「そっ、それはそうかもしれんが」


女   「であればそれ相応の対処をとらざるえません」


他部署人「だからそこを相談にだね・・・」


女   「これ以上私に出来ることはありません、では」


他部署人「ちょ、ちょっと冴島君! 」


他部署人(なんだあいつは、本当に噂通りの冷徹女だ」





同僚女A 「冴島さんちょっと良いですか?」


美音  「なんでしょう」


同僚女A 「週末の部飲み会どうしますか?」


美音  「欠席でお願いします」


同僚女A 「は、はぃ、わかりました」


美音  「それよりお願いしていた資料は終わりましたか?」


同僚女A 「い、いえ・・まだ」


美音  「明日までには提出してください、訂正箇所もあるでしょうから」


同僚女A 「は、はぃ・・・」


同僚女B 「また冷徹の令子さんにやられてきたの?笑」


同僚女A 「あの人ほんと感じ悪いよ、あれじゃ誰も寄り付かないわ」


同僚女B 「男の前では180度違うかもよ~」


同僚女A 「それはそれで怖いんだけど・・・」


同僚女B 「まぁあの態度でついていける男なんていないでしょ」


同僚女A 「良い年ごろなのに結婚どころか男の影すらもないらしからね~」


同僚女B 「男なんかには頼らないってかぁ~笑」


同僚女A 「ただあの容姿だから男はすぐ寄ってくるだろうけど」


同僚女B 「同期のA君が言ってたけど何人もアタックしてみんな即玉砕

     されてるらしいわよ」


同僚女A 「人気はすごいみたいだよね~でもありゃ付き合ったらムリムリ」


同僚女B 「だね~」





同僚女友「美音~お昼いこ~」


美音  「あぁ、京子」


京子  「あぁじゃないわよ、お昼行こなんて言うの私くらいしか

     いないでしょ~が笑」


美音  「・・・・・」


京子  「はやく行かないと席なくなっちゃうよー」


美音  「はぃはぃ」 


京子  「あんた、またカレー?」


美音  「いいじゃない、食べるの楽だし」


京子  「はぁ・・まったく女っけがないわね」


京子  「普通の女子ならパンケーキおいしぃ~~とか

     言ってるわよ!」


美音  「それのどこが楽しいのよ」


京子  「まぁあんたに言ってもわからないわね」


美音  「・・・・・」


京子  「あ、そうそうあんたに言っても断るだろうけど一応言うわね」


美音  「断るわ」


京子  「はやっ!ちょっと話くらいは聞きなさいよ」


京子  「明日の飲み会1人女の子が行けなくなっちゃったのよ」


美音  「なおさら断るわ」


京子  「だよね~まぁそうだとは思ってたけど」


京子  「まぁ、あんたが来たら男がみんなあんたにいっちゃう

     だろうからそれはそれでこっちとしてはつまらないんだけどね」


美音  「興味ない」


京子  「はぁ・・ほんっともったいないわね~その美貌が

     ありながら全く生かされていないそのうち言われるわよ?

     冷徹の令子はレズですか?ってね笑」


美音  「特定の人がいるのってそんなに良いの?かえって邪魔よ

     どうせ、女はこうあるべきみたいなこと言うだけでしょ」


京子  「今まで誰とも付き合ったことがないあんたが言ってもあまり

     説得力ないわよ」


美音  「んんん・・・・」


美音  「わ・・私は私の考えで付き合わないのよ!必要ないわこれからもね」


京子  「はぃはぃ、まぁあんたのそういう所嫌いじゃないけど~」


京子  「でも結婚しないのか?とか言われない?親や上司とかに」


美音  「言われない訳ないわ・・・っていうか京子もでしょ?」


京子  「まぁね~あたしはまだまだ色んな男を見たいってのもあるからね~~」


美音  「・・・・・・・」


京子  「あ!もうこんな時間、あんたも早く食べ・・・・終わってるわね」


美音  「行くわよ」



美音  「部長、来週の会議資料です」


部長  「ありがとう、さすが冴島君、仕事が早いね」


美音  「いえ、宜しくお願いします」


部長  「あ、それでこの前の話なんだが」


美音  (はぁ・・・・)


部長  「先方さんとの食事なんだがやはり君にも来てもらいたいんだ」


部長  「向こうさんのたっての希望でね」


美音  「この間お断りしましたが」


部長  「そうなんだが仕事の一環として来てもらえないかね」


美音  「・・・・・・」


部長  「君もそろそろ結婚を考える歳だろうし」


美音  「結婚は関係ありません」


部長  「ま、まぁとにかく来てほしいんだよわかるだろ?」


美音  「・・・わかりました、仕事として行きます」


部長  「そうか!向こうさんも喜ぶ、では予定よろしく」


美音  (・・・・めんどくさい)


京子  「美音~あんたお見合いするんだって~?」


美音  「はぁ・・しないわよ」


京子  「だってM商事の社長の息子と食事いくんでしょ~??」


美音  「仕事だから仕方ないわ」


京子  「向こうはそうは思ってないわよ~」


京子  「とうとう身を固める時がきたってか~あはは~頑張れよ~」


美音  (うるさい)





~仕事帰り~





美音  (なんか疲れた・・・)

    (夜ご飯どうしようかな・・コンビニのカレーでいっか)


    (PPP~)


美音  (お母さんからだ)


美音  「もしもし?」


美音母 「あ、美音?あんた全然連絡くれないけど元気にしてるの?」


美音  「あ、うん、普通かな」


美音母 「なによ普通って!この前のお盆も帰ってこないし、たまには

     顔くらいみせなさいよ!」


美音  「うん・・・ごめん、お正月には帰るから」


美音母 「お父さんも心配してるわよ?元気にしてるのかって」


美音  「元気だよって伝えておいて」


美音母 「それと、あんた良い人はまだいないの?そろそろどうなの

     かしらってお姉ちゃんと話してたのよ」


美音  「またその話?そのうち・・・ね」


美音母 「そのうちそのうちって、お見合い話なら沢山あるのよ?」


美音  「だからそういうのはいいから、もう電話きるよ」


美音母 「あ、ちょっとみお・・・ガチャ」


美音  (もう・・・うんざり・・)



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