第40話別れがきても大丈夫だよね?
神殿に到着すると、ロトが驚きの声を上げた。
「こりゃ、すごいな!」
そして機関室に入り、見て回る。
「ふむ。なるほど。原因はわかった。しばらくかかるから待ってくれ。」
ロトがそう言うと修理にかかる。
その間、ミンティアが話があるというので、みんなで集まっていた。
「私、この先の旅へは行けないわ。」
ミンティアがそう言い出した。
「えっ!?」
全員が驚きの表情をする。
「どうしてですか!?」
私が尋ねる。
「私はマテリアルの町に残るわ。見たでしょう。あの惨状を。私は薬師、人の命を救うのが職業なの。そしてあの町には医者がいない。だったら選択肢は一つしかないわ。あなたたちの旅に同行して薬の素材はもう十分揃ったし、あなたたちも強くなった。もう私がいなくても大丈夫なはずよ。」
ミンティアが説明する。
「そうか。もう決めたことなんだな。」
兄が口を開く。
「ええ。あなたたちとの旅は楽しかったわ。」
「う、うぅ。私だってミンティアと一緒で楽しかったです!」
私は涙を流す。
「ほのか、泣かないでちょうだい。別れが悲しくなるわ。別に永遠の別れではないのだから。会いたくなったらいつでもマテリアルにきてちょうだい。あなたたちなら無料で診てあげるから。」
「ミンティアさん、今までありがとうございました。これからが大変でしょうけど頑張ってください。」
湊がミンティアと握手を交わす。
「ミンティアお姉ちゃん、ありがとうなの。」
リアが言う。
「あ、あの。私は付き合いは短いですが、私もありがとうございました。頑張ってくださいね。」
マドカがミンティアの手を取り言う。
そうしてミンティアとは別れることになった。
しばらく待っているとロトがやってきた。
「待たせたな。多分直ったと思う。動かしてみてくれるか?」
みんなで飛空艇に乗り込み、マドカがハンドルを握る。すると飛空艇が飛び上がり、天井が開く。そして空高く舞い上がる。今度は大丈夫なようだ。
「このままマテリアルまで行ってみましょう。」
マドカがそう言うと、飛空艇が進み出す。
速度は車ほどは出ないがやはり障害物がないぶん空の旅は速い。
あっという間にマテリアルに到着した。
「んじゃ、また何かあったら俺を訪ねてくれ。次からは金を取るがな。」
「ああ、ありがとう。助かったよ。」
ロトに別れを告げる。
「みんな、これからの旅気をつけるのよ。あ、ほのか。これを持って行ってちょうだい。」
ミンティアが私に小瓶を手渡す。
「どうしても命の危険があった時に飲ませてちょうだい。ユウタの腕を治したときの薬よ。使うときがないことを祈るわ。まぁお守りがわりに持って行って。」
私は小瓶をカバンにしまう。
「じゃ、ミンティアも元気でな。」
そして長い間旅を共にしたミンティアとはここで別れた。
飛空艇で次の大陸へと向かう。
「さぁ、残る宝玉はあと1つだ。」
「そうですね。マドカさん、大丈夫ですか?疲れてませんか?」
私がマドカに尋ねる。
「はい、大丈夫です。そろそろ次の大陸が見えてきましたよ。」
そして、大陸に到着し、町が見えてきたので飛空艇を着陸させる。
「まずはギルドで話をきいてみましょう。」
私がそう言うとみんなでギルドに向かう。
「あの、この大陸のどこかに宝玉があるらしいんですがどなたかご存知ありませんか?」
私が冒険者たちに尋ねる。
「宝玉?なんだそりゃ、聞いたことねえな。」
誰一人知っている人はいなかった。
「大陸中央にあるフィガロ城に行けば何かわかるんじゃないか?」
冒険者の一人が言い出した。
「フィガロ城?」
兄が尋ねる。
「このあたりを取りまとめてる王様がいるんだよ。砂漠の中央にあるんだ。」
冒険者が説明する。
「砂漠か。飛空艇の着陸は難しそうだな。」
「そうですね。でも近くまでは行ってみましょう!」
そして私達の次の目的地が決まった。
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