第32話初航海だけど大丈夫だよね?
「あ、おかえりなさいお兄ちゃん!」
リアが出迎える。
「ああ、ただいま。そっちはどーだった?」
兄がリアに尋ねる。
「うんっ!いっぱい食べたからもうお腹いっぱい!」
「リアちゃんたら、特盛りチャレンジに挑戦してあっさり平らげちゃうんだから。店の人も驚いてたよ。先輩はほのかちゃんとデート楽しかった?」
リアと湊が答える。
「ははは、まぁまぁかな。とりあえず船旅に必要な物資は買い揃えてきたよ。」
するとミンティアが帰ってきた。
「ただいま。あら、みんな早かったのね。待たせたかしら?」
「いや、俺達も今帰ってきたとこだよ。みんな揃ったところで出発しようか。」
「はいっ。行きましょう!次の大陸へっ!」
そしてみんなで船に乗り込む。
「じゃあ、魔力を流し込みますね。」
私はそう言うと魔石に魔力を注入する。すると魔石が光だしエンジンがかかる。
兄がハンドルを持ち話しかける。
「さあ、出発だっ!」
船が進みだした。速度は時速30kmくらいだろうか。
「わ、動き出しましたっ。私、船乗るの初めてですっ!」
「そういえばボクたちのとこは海なんてなかったもんね。ボクも初めてだよ。」
そして1時間ほど航海を続けた頃、
「……。ふぇぇ…。ウッ……。」
私は船酔いしていた。
「ほのかちゃん、大丈夫?」
湊が心配して声をかける。
「ダメかもしれません……。湊さん、お兄ちゃんのこと頼み、ます。」
「ほのかちゃんっ!しっかり!そんな死亡フラグ言っちゃダメだ!」
ぐったりする私を湊が支える。
「ほのか、これを飲んで。酔い止めの薬よ。飲めるかしら?」
ミンティアが薬を取り出す。
「ゴク、ゴク…。」
薬を飲んだらだいぶ良くなってきた。
「ありがとうございます。だいぶ楽になりました。」
そんなやり取りをしていると、突然船が止まる。
「先輩、どうしました?」
湊が尋ねる。
「前方に何かがいるみたいだ。」
前を見ると渦潮が発生している。それはだんだんと大きくなり、真ん中から巨大な竜のようなものが現れた。
「あ、あれは。リヴァイアサン!!どうしてこんなところに!」
ミンティアが叫ぶ。
すると私達が答える間もなくリヴァイアサンが攻撃してきた。口から勢い良く水を吐き出した。まるで光線のように。
「空間制御!!」
湊が船の先端に立ちとっさに攻撃を反射する。
反射した攻撃がリヴァイアサンに直撃するが効果はないようだ。
「これならどうですか!?サンダーストーム!!」
私が魔法で雷を発生させた。雷はリヴァイアサンに直撃すると思いきや直前で水の壁に弾かれた。
「ウォーターシールド!?水魔法をつかうみたいですね。ならば。ケット・シー、力をかしてください!!」
召喚魔法でケット・シーを召喚する。
「我の力を貸そう。リフレクトシールド!」
ケット・シーがあらわれ、船のまわりに光のカベを作った。
するとその直後リヴァイアサンが水魔法で攻撃をしかけてきた。しかしそのすべてが反射される。
魔法が無意味だと理解したリヴァイアサンが海の中を動き出した。
「なんだ…。動きがおかしいぞ。」
リヴァイアサンが巨体を高速で海中を行ったり来たりしている。
すると、巨大な津波が発生した。船ごと飲み込むほどの津波がせまってくる。
「ヤバイ!これは防げないぞ!?」
兄がそう言うと私は杖をかまえる。
「私がとめます!冷気よ、凍てつかせよ。アイスエイジ!!」
すると巨大な津波は周辺の海水とともに一瞬にして凍りついた。
「ほのか、よくやった!これで足場もできたな。」
兄と湊が凍りついた海の上に降りると動けなくなったリヴァイアサンに向かっていく。
まずは湊がリヴァイアサンに攻撃をしかけた。
「シグナスオンスロート!!」
激しく十字に斬撃を加える。
リヴァイアサンがひるんだところにすかさず兄がスイッチする。
「飛影剣舞!!」
リヴァイアサンに向かって突進し、連撃をくわえる。そしてついにリヴァイアサンの首を落とした。
「やったか…。」
兄がそう言うと湊と一緒に船に戻る。
「やりましたねっ!お兄ちゃん、湊さん!見事な連携でしたっ!」
「あー、でも海が凍りついたから俺達も動けないな。」
兄が言う。
「まかせてくださいっ!ファイヤジャベリン!!」
無数の炎の槍が凍りついた海を溶かす。
「よし、先へ進もう!」
リヴァイアサンを倒し航海を続けるのだった。
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