第27話メイド喫茶をやっても大丈夫だよね?
帝都に戻り、鍛冶屋へきた。
「いらっしゃい。あぁ、あんたらか。本当にミスリル鉱石をとってきたのか!?」
店主が驚いて尋ねる。
「はい、これでお願いします!」
私がミスリル鉱石を渡す。
すると湊が
「あの、これと同じ形状にしてほしんですができますか?」
そう言うと兄の日本刀を店主に見せる。
「ふむ…。…こりゃあムリだな。たぶん特殊な打ち方で作られた剣だろう。作り方がわからないと不可能だ。」
店主が説明する。
「そうですか。なら形状についてはおまかせします。」
「そうか。仕上がりは2週間くらいだ。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
そして剣の注文を終えると家に戻るのだった。
翌日、ハイデンベルクにある行きつけの食堂にみんなでご飯を食べにきたのだった。
「あれ?臨時休業…?」
「休みなんて珍しいな。」
私と兄がそんなことを話しているとちょうど店主が出てきた。
「あぁ、勇者様。申し訳ありませんがしばらく店を休むことになりまして…。」
店主がとても落ち込んだ様子で話す。
「何かあったんですか?」
私が店主に尋ねる。
「実は従業員が全員流行り病にかかってしまって…。完治には2週間くらいかかるそうなんです。」
「それはお困りですね…。あのお兄ちゃん、私が忙しくて作れない時いつもこのお店にはお世話になってますからお手伝いしませんか?」
兄に提案する。
「そうだな。みんながよければだが。」
兄がみんなの方を見る。
「私は別にかまわないわ。」
「リアもいいよっ!」
「ボクもかまわないよ。」
みんなが賛成してくれた。
「いいんですか!?助かります!しかもこんな美少女たちに手伝っていただけたら願ったり叶ったりです。」
店主が言う。
「じゃあ、よろしくお願いしますっ!」
そしてみんなで食堂を手伝うことになった。
兄は厨房担当になった。実は普段料理をしないだけで私より上手なのだ。
私達は店の制服に着替える。見た目はまるでメイド服だ。
「はい、みなさん。お客様がこられたらこう言うんですよ?『おかえりなさいませ!ご主人様』」
「はぁ…。そういうものなの?」
ミンティアが尋ねる。
「そういうものなんですっ!湊さん、すごくお似合いです!」
「そうかな?この服すごく可愛いねっ。ボク気に入ったよっ!」
湊がスカートをつまんで軽く横に1回転する。
完全なメイド服の美少女…だが男だ。
「あ、お客様きたよ?おかえりなさいませご主人様っ!」
リアが気づき接客する。
「ご主人様、ご注文は何になさいますか?」
きちんと教えた通りに接客できている。
「このオムライスってなんですか?」
お客様が尋ねる。私が説明に向かう。
「卵でケチャップライスを包んだ料理です。」
「ふ〜ん…。よくわからないが、試しに頼んでみるか。じゃあこのオムライスをお願いします。」
お客様が注文する。
「オムライス1つお願いします!」
厨房に伝える。
「はい、オムライスあがったよ!」
そしてオムライスをテーブルに運ぶ。
「今から美味しくなる魔法をかけますね。美味しくな〜れっ萌え萌えきゅんっ!」
両手でハートを作り、オムライスにケチャップでハートを描く。
そしてみんなのとこに戻る。
「ほのか、今のホントにやらなきゃダメ?恥ずかしいのだけど。」
ミンティアがそう言うと湊が
「ボクは大丈夫だよっ?何回も行ったことあるからわかるよ。」
「ミンティアはしなくて大丈夫です。ツンデレメイドでお願いします。」
「ツンデレ…?」
ミンティアに接客の仕方を説明する。
「あ、お客様きましたよ?さっき教えた通りお願いします。」
そしてミンティアがお客様に向かう。
「おかえりなさいませ。べ、別にお兄ちゃんになんか帰ってきてほしくなんてなかったんだからねっ?仕方ないから案内してあげるっ!」
お客様は戸惑いながらも少し嬉しそうだ。
お店のメニューにオムライスとカレーライスを特別に加え、試しに頼んだお客様はみんな絶賛の嵐だった。
次の日から、噂が噂を呼んだのか客足が比べ物にならないくらい倍増した。
「おかえりなさいっ!お兄ちゃんっ!今あんないするねっ!」
リアが接客する。リアには妹キャラをしてもらうことにしたのだがこれがすごい好評だった。
「おかえりなさいませ、ご主人様。ご注文を伺ってもよろしいでしょうか。カレーライス2つですね。かしこまりました。どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。」
湊が淑女のごとく上品に接客する。
そんなこんなで2週間が過ぎた。
「いや〜、助かりました!こんなに繁盛したのは初めてだよ。売り上げも普段の3倍はありましたよ。これ、2週間分の給料です。」
そして金貨の入った袋を受け取る。
「これで剣の代金も大丈夫そうだな。」
兄が話しかける。
「うん、そうだね。ボクもメイド楽しかったよ。」
「私はもう疲れたわ。」
ミンティアが言う。
「じゃあ剣を受け取りに行きましょう。みなさんつかまってください。テレポっ!」
そして帝都の鍛冶屋に向かう。
「おうっ!きたか。できているぞ。注文の剣2本!」
店主が剣を2本差し出す。
「あら、2本も作ったの?」
ミンティアが尋ねる。
「えぇ、湊さんの流儀は本来二刀流なんです。」
「まぁ、実家の流儀だから剣道の試合じゃつかえないけどね。」
湊が説明する
そうして湊の剣はようやく完成したのだった。
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