第20話海水浴にきたけど大丈夫だよね?
翌朝、
「ふぁ〜あ…。ん、もう朝か。ここのところ戦ってばっかだったから疲れてたんだな。ん?」
ムニュっ。何かやわらかいものが手に触れる。
「わっ!ほのか!?いつのまに俺の部屋に!」
「ん…。おはようございますお兄ちゃん。あれっ?どうしてお兄ちゃんが私のベッドにいるんですか!?ハッ!とうとうお兄ちゃんも禁断の愛に目覚めてくれたんですねっ?」
私は兄にギュッと抱きつく。
「バカっ、ここは俺の部屋だぞ?」
私は起き上がりまわりを見回す。
「ふぇぇ。ホントです。ゆうべトイレに行ったときに間違えて入ってきたみたいですね。でもせっかくだからもう少しこのままいさせてくださいっ!」
そう言うと私はふたたび兄の横に寝転がる。
「別にいいけど早く起きるんだぞ。俺は起きるからな。」
そして兄が部屋の外に出ていく。
「あ〜ん、私も起きます〜っ!」
私も兄を追ってリビングへ行く。
「おはよっお兄ちゃん♡」
リアも起きてきた。
「おはよ、リア。」
「お姉ちゃん、ゆうべどこ行ってたの〜?」
「あ、ちょっとトイレが長引きまして…。あ、ミンティアおはようございますっ!」
「あら、おはよう。」
「みなさんすぐ朝ごはん作るのでちょっと待っててくださいね。」
私は台所に向かう。
パンにハムと野菜、卵などを挟んだ簡単なサンドイッチを作る。
みんなでご飯を食べていると兄が話しかけてきた。
「最近ずっと忙しかったからしばらくは休みにしようか。」
「そうね、私もしっかり休ませてもらうわ。」
「あの、明日なんですが最近暑くなってきたのでよかったらみんなで海水浴しませんか?」
私が提案する。
「かいすいよくってなぁに?」
リアが尋ねる。
「みんなで水着を着てきゃっきゃウフフすることですっ。」
「水着とは何かしら?」
「水着は水に濡れても大丈夫なように作られた泳ぐための服のことだよ。」
兄が説明する。
「リア海水浴いきた〜い!」
「まぁ、いいんじゃないかしら。」
「よし、じゃあ明日は海へ行こうか。」
「はいっ!じゃあ早速水着の材料買ってきますねっ!」
そして朝食を終えると私は買い物にでかけた。
まずは生地を買い揃える。
「んーと、まずは…。リアはこのピンクの可愛らしい布にしましょう。それと、ミンティアはこっちの濃い紺色が似合いそうですね。」
そして生地屋を出る。
次に小道具屋で裁縫道具を購入する。
「あとは、浮き輪の材料ですね。まずは海水を取りに行ってと…。」
テレポで海に行き、海水を集める。
これを水魔法でこうしてと…。
水魔法で海水から大量の塩化ナトリウムを抽出する。そして土魔法で地面から原油を探し出し取り出す。塩化ナトリウムから魔法で塩素を、原油から魔法でエチレンを抽出・合成して塩化ビニルを生成する。
生成した塩化ビニールから浮き輪とビーチボールができた。
家に帰り、今度は水着の製作にとりかかる。
しばらく布を切ったり縫ったりを繰り返して水も完成した。
翌朝、
「さぁ、お兄ちゃんはこの水着でお願いしますっ!」
「お、さすがほのかだな。ちゃんと水着になってる。じゃあ着てくるな。」
そして兄がトランクス型の水着をきて出てきた。
「わぁ、お兄ちゃんいい感じですっ!」
「そうか?ありがとうな。あれ、お前たちは着ないのか?」
「いえ、お兄ちゃんはこれをつけて待っててください。」
私は兄に目隠しをつける。
そして私たちも水着に着替える。
「テレポっ!さぁ、もう外してもいいですよ。」
そう言うと、蒼く輝く海と白い砂浜、あつく照らす太陽の下に転移した。
そして兄が目隠しを外すと、水着を着た私、リア、ミンティアが視界に入る。
私は水色のビキニ、ミンティアは紺色のワンピース、リアはピンクのビキニだ。
「お、よく似合ってるよ。」
「こんな露出の多い服で外に出るなんて恥ずかしいわね。」
「水着はこういうものなんですよっ!さぁまずは準備運動です。」
そしてみんなでラジオ体操をする。
「さぁ、泳ぎましょうっ!」
「リア、泳げない…。」
「しょうがないな。俺が教えてやるよ。」
兄が似合いそうリアの手をひいて海に入る。
「お兄ちゃんっ、私も泳げないので手とり足とりお願いしますっ!」
「ほのかは俺より泳げるじゃないか。お、リアいい感じだ。そうやって息継ぎをするんだ。」
「とほほ…。」
「ほのか、私にも泳ぎを教えてくれないかしら?海に入るの初めてだから。」
ミンティアが話しかけてきた。
「は〜い…。じゃあ、いきましょう。」
私たちはしばらく海で泳いで楽しんだ。
「ふぅ〜、たくさん泳いだな〜。お腹すいたしお昼にするか。」
「そうですね。今温めますね。」
持ってきたお弁当を火魔法で温める。
「海といえばやっぱりこれですねっ。」
みんなで焼きそばを食べる。
「次はみんなでビーチバレーをしましょう!」
そう言って持ってきたビニールのボールに空気をいれる。
「ビーチバレーってなぁに?」
リアが尋ねる。
「ビーチバレーっていうのは、…」
あらかたのルールを説明する。
「じゃあお兄ちゃんは私とペアをっ!」
「それじゃあ戦力が不平等でしょ?ほのかは私と組みましょう。」
「は〜い…。」
「リア、魔法は禁止だからなっ!」
「うん、わかった!」
そしてみんなでビーチバレーを楽しんだ。
やがて日が暮れる。
「楽しかったな。」
「うんっ。リアもまた行きたいっ。」
「そうね、いい気分転換になったわね。」
「はい、ぜひまた行きましょうっ!」
こうして久しぶりにみんなは羽を伸ばすのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます