第19話襲撃しても大丈夫だよね?

翌日、真実の鏡を持って城にいく。

「さて、どのように城に侵入するかだよな。正直に話して入れてくれるわけないし。」

「そうね。ここは強行突破しかないでしょうね。」

「まずは私が魔法で城壁を破壊します。そしたら正面の警備がうすくなるでしょうから、お願いします。じゃあ、行ってきますっ!」

そして私は裏にまわる。


「ここは、城中に聞こえるような派手な魔法がいいでしょうね。」

私は杖を構える。

「風よ、カベとなれ、エアストシールド」

するとカベを挟むようにして風のカベを立方体になるように作る。

「砂よ、まいあがれ!」

すると風に仕切られた立方体のなかで粉末が舞う。

「ファイヤ!」

中心で点火すると粉塵爆発がおこる。立方体に挟まれた壁は木っ端微塵になる。

「敵襲〜〜!総員東の城壁に集まってください!」

兵士が騒ぎ出した。

「きましたね〜!?時よ、歩みを進めよクイック!」

私は10倍のスピードでうごく。

「水よいでよ、クリエイトウォーター!」

次々と兵士の口に手を当てて大量の水を流し込む。

10秒ほど経過しクイックの効果がきれたときには30人ほどの兵士が膝をついてむせ込んでいる。

「ファイヤウォール!!」

私が背後に火のカベを作るとそこに火の玉がぶつかった。

「危なかったです…。未来視のおかげで助かりました。じゃあ今度はこっちから行きますよっ!風よ、敵を吹きとばせ。エアショットっ!」

死なない程度に風の塊をぶつける。

「地よ、摩擦をなくせ!スリップっ!」

残りの兵士が滑って転びまくる。

「お兄ちゃん、今です!行ってくださいっ!」


その頃正面入り口では、

「よし、みんなほのかの方に行ったから全然警備がいなくなったぞ。」

「今のうちに行きましょう。領主の部屋はあっちよ。」

そして俺達は領主の部屋を目指して走り出す。

大きな中庭にでたところで巨大な敵があらわれた。

「シンニュウシャハッケン。ハイジョシマス…ガガ…。」

「なんだこれはっ!!ロボット…?」

「話にきいたことがあるわ。汎用魔導迎撃兵器ラディッシュよ。まさかこんなところでお目にかかるなんて。」

するとラディッシュの砲台から光線が発射される。圧縮された炎のようだ。

「これならどうだ!?」

俺が手をだしてマジックブレイカーを発動させる。すると光線が消える。

「よかった、あいつの攻撃は魔術的なものらしいな。」

「風よ、刃となりて切り刻め!エアカッター!」

リアが攻撃する。しかしラディッシュの装甲は固く全く切れなかった。

すると砲台から第二波がきた。

しかしマジックブレイカーでかき消す。

「身体強化っ!電光關火っ!」

俺がラディッシュに切りかかるがはじかれる。

「ダメか…。どうすれば。」

そして次々と魔導レーザーが飛んでくる。

「よし、これならどうだ。聖なる力よ、鏡になりて跳ね返せっ!リフレクトシールドっ!」

俺は聖魔法でカベを作る。そこに魔導レーザーがくると見事反射してラディッシュに当たる。

「よしっ!できたっ!」

そのまま反射しつづけ、やがてラディッシュは壊れたのだった。

「やったねお兄ちゃんっ!」

「さぁ先に進みましょう!」

そして領主の部屋のある建物に入る。

「まさか賊にここまで入り込まれようとはな。わたしが直々に相手してやろう。私は近衛騎士団団長アクセル。さぁいくぞっ!」

アクセルが剣を抜く。

俺も刀をもち、構える。

「なんだ?剣を抜けっ!やけに細い剣だが抜かずに勝てると思ってるのか?」

「これは気にするな。こういう戦い方なんだよ。」抜刀術の構えをする。

アクセルがかかってくる。

「天駆ける龍の息吹っ!!」

抜いた刀がアクセルの胴体に命中し倒れる。

「安心しろ、峰打ちだ。さぁ急ごうっ!」

そして領主の部屋にたどり着いた。

「お前が領主だな?」

「そうだが、なんだそなたたちは?わたしに何か用かな?」

「これを見ろっ!!」

真実の鏡を取り出し領主に向ける。

なんとそこには領主ではなく魔物の姿が映っている。

「ぐっ、なんだそれは!?ヴ〜、ま、魔術がとける…。」

領主の姿が魔物へと変わっていく。

「バレてしまってはしかたがないな。我が名はミルドラース。元の姿に戻してくれた礼に貴様達を皆殺しにしてやろう。」

「く、くるぞっ!」

「風よ、刃となりて切り刻め!エアカッター!」

しかしまったく歯が立たず風は消えてしまった。

「なんだ、そのちんけな魔法は。手本をみせてやろう。風よ、刃となりて切り刻め。エアカッター。」

するとリアが放ったのより5倍は大きなエアカッターが飛んできた。

「危ない、マジックブレイカー!」

なんとか防ぐことができた。

「これなら!ホーリーショット!」

俺が光の刃をとばすとミルドラースのしっぽを切断する。

「何!?なんだ今の攻撃は…。」

聖魔法なら効果があるようだ。

するとさっき入ってきた扉が勢いよくひらく。

「お待たせしましたお兄ちゃんっ!!みなさんも無事ですか!?」

ほのかが陽動作戦を終えて俺達に合流した。


「あいつが敵ですね!?蒼き炎よ、光となりて焼き尽くせ!ファイヤショットっ!」

私が炎を放つとミルドラースに直撃して爆炎に包まれる。

「やった!?」

リアが言う。

「だからそのセリフはダメですっ!」

そして煙がはれるとミルドラースがあらわれる。

「あら、まさかあの攻撃をうけて無傷なんてね。」

「よい攻撃だったが、私の体に魔法攻撃は効かぬよ。お返しだ。」

するとミルドラースがファイヤショットを放ってきた。

それを兄がマジックブレイカーで消す。

「これならっ!ブリザドショット!!」

冷気の魔法を浴びせるが効果がなかった。

「聖なる力よ、刀に宿れっ!」

すると刀が光り輝く。

「行くぞっ!ミルドラース!お前を倒してこの国を助ける!」

そして兄がミルドラースのウデを切断する。

「なんだと…。なんだお前の力は。」

「これで終わりだっ!七閃っ!」

すると一瞬で7つの斬撃がミルドラースに直撃しバラバラになる。

「さすがお兄ちゃんですっ!」

そして部屋にリサが入ってきた。

「あの、私最初から見てました…。まさかお父様が魔物だったなんて。う、う…。本物のお父様は…?」

「本物の領主様はもうおそらく…。」

ミンティアが答える。

「う…、う。そんな。お父様…。」

リサが床に伏せ泣き崩れる。

「心中お察しいたします。しかしこれからは娘のあなたが領主として頑張ってください。」

「今は一人にしたほうがいいみたいね。」

「そうだな。俺達はとりあえず帰ろう。」

領主は魔物だった。この話はまたたく間に近隣の村々に知らされたのだった。

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