第16話寂れた村にきたけど大丈夫だよね?
一方その頃、ハイデンベルクのある地上とは別次元にある暗黒魔界の魔王城にて。
「魔王様、人間界に異世界より勇者が召喚されたようです。」
魔王の配下の幹部が魔王に報告する。
「ふむ。異世界の勇者か…。先日大軍を王国に攻めさせたのに全滅したのはそのせいか。」
「はっ。何でも、勇者パーティには優秀な魔術師がおり大半が大規模魔術と召喚魔法にやられたと報告があがっています。」
「なるほど。ザコをいくら送り込んでもムダなようだな。ならば、こちらも異世界より強力な戦士を召喚し送り込むのがよいだろう。」
そして魔王が玉座から降りてきて広間にて杖をかかげた。
「異世界の強きものよ。我が召喚にこたえよ。」
そう言うと地面に魔法陣があらわれる。
「さぁ、こい!そして勇者を倒すのだっ!」
魔法陣が光だし、中心に人があらわれた。
その外見はどうみても日本の女子高生だった。
「えっ、えっ?ここはどこですか!?さっきまで学校にいたのに!あなたは誰ですか!?」
女子高生は混乱している。
「魔王様、この人間の少女が本当に強いのでしょうか!?」
「ふむ。異世界よりきたりし人間は凄まじい潜在能力があるとされる。それに異世界召喚の魔術はもうあと10年は使えぬからな。さて。」
すると魔王が女子高生の頭に手を置き、
「お前に闇の力を与えよう。前世の記憶は必要ない。今からお前は暗黒騎士マイルだ。」
「はい…。わかりました。魔王様。なんなりとご命令を。」
そして女子高生は黒い鎧を身にまとった暗黒騎士へと姿を変えた。
「さすがの勇者でも相手が自分と同じ人間なら殺すことはできまい。さぁ、行けマイルよ。そして勇者を亡きものにするのだ。」
そしてマイルは人間界に向かうのだった。
場面はもどり、ハイデンベルクにて、
「なぁ、ミンティア。ところで魔王ってのはどこにいるんだ。」
「魔王は、この世界とは別にの世界暗黒魔界にいるらしいわ。暗黒魔界の入り口はハイデンベルクのちょうど真下の大陸、ミシディアの大洞窟の中にあると聞いたわ。入り口を開くためたにはこの世界のどこかにあると言われる黒の宝玉・白の宝玉・虹の宝玉が必要らしいわよ。」
「暗黒魔界ですか〜。なんか怖そうな世界ですね…。でもお兄ちゃんがいれば大丈夫ですっ♡」
そう言うと私は兄に抱きつく。
「こら、そんなにくっつくなよ。暑苦しいだろ。」
兄は顔を赤くして言う。
「でも先の道のりは長そうですね〜。」
「そうね。ミシディアの大洞窟には船がないと行けないみたいだし…。」
「船か〜。いくらくらいするんだろうな。」
「私たち全員が乗れるほどの船を買おうと思ったら金貨500枚はいるわね。」
「「ご、500枚っ!?」」
私と兄が口をそろえた。
「まぁ、まずは宝玉を集めるところからだな。」
「そうですね。次の街へ行き情報を集めましょう。」
「それで次はどこに行くの〜?」
リアが尋ねる。
「次は隣国の村イリアかしらね。迷いの森よりもさらに東に進んだところよ。」
「よし、行ってみよう!」
そして私たちはイリアへ向かった。
迷いの森の入り口を通りすぎ、さらに東へといく。途中の草原を歩いていると魔物が現れた。頭が豚の人型の魔物オークだ。
「オークですっ!」
するとオークが襲いかかる。
「リアがやるよっ!風よ、刃となりて切り刻め、エアカッター!」
リアのエアカッターがオークを襲う。しかし切り傷がついたが倒せなかった。
「硬い体みたいね。闇よ、視界をうばえ、ダークアイ!」
オークの動きが止まる。
「私が倒しますっ!」
私は杖を構える。
「炎よ、光となりて焼き尽くせ。ファイヤショット!」
高温の炎がオークに向かって放たれる。オークは骨も残さず消滅した。そこには蒼い魔石が残った。
ミンティアがそれを拾う。
「これを持って行きましょう。ギルドで買い取ってくれるわ。」
そしてイリアに到着した。
そこはまるで廃村のように荒れ果てていた。
「ここがイリア…?本当に人が住んでるのでしょうか?」
「そうね。数年前はきれいな村だったのだけれど…。とにかく人を探しましょう。」
そして村の中を歩き、1人の村人を見つけた。
「あの、すみません!いったいこの村になにがあったのでしょうか!?」
「あなたがたは…?」
「俺達は旅のものだ。怪しい者じゃない。」
「実は、この国の領主様の性格がここ最近がらりとかわりまして、村から多額の税金をとっているのです。最初のうちは協力して払っていたのですが、払えぬ者から順に村を出ていきまして…。もうこの村には数人しか残っておりません。」
村人が事情を説明する。
「なんて悪い領主なのかしら。」
「そうですね、村の人がかわいそうですっ!」
「よし、目的は決まったな。この村を助けよう!」
兄が提案する。
「しかし、旅のお方よ。あなたがたにそのようなご迷惑をおかけするわけには…。領主様の城には護衛の兵士・魔術師がたくさんおります。」
「私たちにまかせてくださいっ!でも人間よ相手は難しそうです。」
「そうね。相手が人間なら殺すわけに行かないし、殺さずに無力化する必要があるわね。」
「そうだな。まずは情報を集める必要がありそうだ。」
するとミンティアが
「私にまかせてくれるかしら?私が薬売りとして城に侵入して情報を集めるわ。」
「よし、じゃあ領主の城へ出発だ!」
そして私たちは城へ出発するのだった。
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