第15話初クエストだけど大丈夫だよね?

試練の塔攻略から5日が経過した。兄の、「自分自身の攻撃を受けたキズ」も回復し、体力も戻ったみたいだ。そして兄が話があると言い、みんなを広間に集めた。

「金がないっ!王様からもらった金が底を尽きた。何か稼ぐ方法はないかな?」

「わ、もうなくなっちゃったんですね。しかたないですね…。リアがたくさん食べるんですから。」

「リア、そんなに食べてないよっ!?」

リアが言うと、

「リアは3人分くらい食べてるじゃないの。」

「だってみんなと同じだと足りないんだもん…。」

リアが落ち込んでいる。

「リア、気にするな。みんなでお金を稼げば大丈夫だ。リアも協力してくれ。」

「うんっ!リアがんばるっ!」

「お金を稼ぐ方法ね…。それなら冒険者ギルドに行ってクエストを受けるのが1番でしょうね。」

ミンティアが説明する。

「クエストですか〜。そういえばイロイロ貼ってありましたね。」

「よし、とりあえずギルドに行ってみよう。」

そしてみんなで冒険者ギルドに行ってみることにした。


冒険者ギルドに入り、クエストの張り紙を見てみる。

「いろんなのがありますね〜。薬草の採取に、オークの討伐、わっ。ワイバーンの討伐なんて報酬が金貨3枚もありますよっ!?」

金貨3枚=30万円ってことだ。

「で、どれを受けるの?」

ミンティアが尋ねる。

「そうだなぁ、金額が高いのがいいけど…。」

「1番高いのは…。グリフォンの討伐ですね。金貨5枚ってあります。」

「よし、それで行こう!」

そしてグリフォン討伐の張り紙を受付に持って行く。

「あら、勇者様。今回はどうなさいました?」

「えっと、このクエストを受けたいんだけど…。」

張り紙を受付の人に見せる。

「グリフォン討伐ですか!?まぁ魔王軍を撃退した勇者様のパーティなら大丈夫でしょう。なら説明いたしますね。グリフォンはハイデンベルクの西にある荒野を縄張りにしている魔物です。群れで生活してて、最近は家畜をさらって行くので困っているところです。」

そしてグリフォンに関する情報を教えてもらう。

「討伐の証として、倒したグリフォンの体の中にある魔石を持って帰ってきてください。」

「わかりました。よし、みんな行こう!」

みんなで街を出て、西に向かう。

荒野に到着すると、複数のグリフォンがウロウロしていた。

「さて、どうやって倒すかだな。」

「とりあえず私がやってみますね。蒼き炎よ、光となりて焼き尽くせ。ファイヤショット!」

私の不意打ちの魔法でグリフォンの1匹の頭部を焼き尽くした。

すると攻撃に気付いた他のグリフォンが騒ぎ出す。

「よし、もう一度っ!」

そしてもう1匹にファイヤショットをとばすと空に飛びひらりとかわされた。

「う〜ん、こう飛び回ると当てるのは難しいな。よし、リア、変身して俺を乗せてくれっ。」

「私も連れていって。」

ミンティアが言うと

「うん、わかったっ!」

リアが巨鳥になり、兄を背中に乗せる。前より大きくなったようだ。

そして空に舞い上がり、グリフォンを追う。グリフォンも早いが、リアのスピードには勝てずすぐに追いつかれた。

「よし、ここからならっ!」

兄が力を入れて刀を抜く。するとなんと光の刃がグリフォンを襲う。そしてグリフォンが真っ二つになって地面に落下する。

「なんだ今のは!?刀を抜いただけでなんか飛んでいったぞ?今のが聖魔法ってことか…?」

そして他のグリフォンに向かう。

グリフォンの真上でリアが止まるとミンティアが瓶とロッドを取り出す。

「闇よ、敵の視界をうばえ。ダークアイ!」

グリフォンの動きが止まる。そしてミンティアがグリフォンに薬品をかけると苦しみだして落下する。

「私だってっ!風よ、空に運びたまえ。上昇気流っ!」

私も風魔法で空に飛び上がりグリフォンに向かう。

「風よ、敵を切り刻め!エアカッター!」

グリフォンに風の刃が襲いかかる。しかし、うまくかわされてしまった。

そして上昇気流の効果がきれて落下する。

「グリフォンは動きが早いですね…。ならこれでっ!」

私は上空の空気を冷やし雲をつくる。

「お兄ちゃんっ!危ないから降りてきてください!」

するとリアと兄、ミンティアが帰ってきた。

「雷よ、敵を打ち滅ぼせ!サンダーストーム!!」

雲が雷雲になりグリフォンに雷が直撃する。

空に飛んでいたグリフォンたちが次々と落下する。

「やりましたっ!お兄ちゃんっ!」

「よくやったな。リアもありがとう。」

兄が私とリアの頭を撫でる。

「さぁ、魔石を回収しましょう。」

そして合計10匹のグリフォンを倒して魔石を手に入れた。

冒険者ギルドに行き、受付に魔石を渡す。

「すごいですねっ。さすが勇者様です。こちらが報酬の金貨50枚になります。」

金貨の入った袋を受け取る。

「これでしばらくはお金の心配する必要はなさそうですね。」

稼いだお金を持って帰宅するのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る