第13話エルフの村にきたけど大丈夫だよね?
「次の街へ行こうっ!」
兄が提案する。
「そうね。ハタカ村の次はエルフの村ね。」
ミンティアが説明する。
「リアに乗って飛んでいけばいいよっ。」
リアが張り切って言うが、
「そう簡単にいかないのよ。エルフの村へは迷いの森を越えないと辿り着けないの。臆病者のエルフたちの集落だから…。」
「迷いの森か…。どんなところかわからないがとりあえず行ってみよう。」
兄が答える。
「そうですね。行ってみましょう。エルフさんにも会ってみたいですっ!」
そして翌日、迷いの森を目指し旅立つのだった。
森の入り口まではリアに乗って飛んでいく。
「ここが入り口ね。魔物が入ってこれないように結界が張ってあるわ。まぁ私の魔物よけの薬同様に弱い魔物にしか効果はないみたいだけれど。」
ミンティアが説得する。
「さぁ、行きましょう。」
リアも一応魔物なのだが全く問題なく結界を通過できた。
「この先どうやって進めばいいのでしょうか?道らしきものも見当たらないし…。」
「そうね、とりあえず進んでみましょう。」
しばらく歩き回っているとリアが話しかける。
「お兄ちゃん、ここはさっきも通ったよ?」
「なんだって!?ひたすら真っ直ぐきていたつもりなのにどういうことだ。似た景色の見間違いじゃないか?」
兄は答える。
「まちがいないよっ。リアはにおいでわかるもん!」
「ん〜、どうしましょう。このまま進んでも同じところをぐるぐる回りそうですね…。」
「そうだな。何か方法がないかな?」
兄が言うと、
「エルフたちは普通の人間よりも魔力が高いらしいからそれを感知できないかしら?」
ミンティアが提案する。
「やってみましょうっ。光よ、力あるものへと導きたまえ!」
すると杖からレーザーが照射される。
「この光をたどれば魔力の強いほうにたどり着けると思います。」
そして光をたどりしばらく歩くと1本の大きな木に当たっていた。
「この木が怪しいわね。ほのか木に魔力をながしてみて?」
ミンティアが言うとおり、木に触れてみる。
すると木に扉が現れた。
「わ、入り口がでてきましたよ!? 」
「そうだな。たぶんここがエルフの村への入り口だろう。」
中に入ると入り口は消えて明かりがついた。中は洞窟のようになっていた。
しばらく真っ直ぐ進むと出口があった。
「何もなくてよかったですねっ。」
「油断しないほうがいいわ。」
「そうだな。今まで何もなかった試しがないもんな。」
そして出口のドアを開ける。
するといきなりたくさんの人に取り囲まれた。
「お前たち、何者だっ!魔王の手先か!?」
剣を構えたエルフが声を上げた。
「ちがいますっ!私たちは人間です。魔王を倒すために旅をしています!」
「ウソをつけ!そこにいる子どもは魔物がじゃないか!?我々の目はごまかせんぞ!」
「リアはわるいまものじゃないよ?」
「俺達は敵じゃないっ!これを見てくれ。」
兄がそう言うとギルドカードを出した。
「なんと!勇者様のパーティでしたか!?これは大変失礼いたしました。」
するとエルフたちが武器を収める。
「よかったですねっ!誤解がとけて何よりです。」
私が言うとエルフたちの1人が
「勇者様、村長のところへご案内いたします。」
そしてエルフたちの村の村長の家に案内された。
「勇者様、私はこの村の村長アンネと申します。この度は私たちの勘違いにより不快な思いをさせましたことを深くお詫び申し上げます。」
なんとエルフの村長は若い女性だった。見た目は20歳そこそこだろうか。
アンネが頭を下げて謝罪をする。
「そんな、頭を上げてください。私達もいきなりきたのが悪かったんですから。」
そしてアンネが頭をあげる。
「それにしてもずいぶんと若い村長さんなんだな。」
兄が話しかける。
「これでも私は80歳を越えてるんですよ?エルフは人間よりも長命ですから若い期間が長いんです。」
「わ〜、羨ましいですっ。」
「それでわざわざ俺達を呼んだってことは名にかけて話があるのか?」
兄が尋ねる。
「はい、勇者様。あなたがたを呼んだのは、エルフの村に伝わる秘宝をさずけるためです。」
「秘宝ですか!?」
「はい、しかしその秘宝が何なのかは私たちは知らされていないのです。私達の村に古くから伝わる文書にはこう書かれていました。」
『我らエルフの村に魔王を倒す勇者があらわれし時、試練の塔に導きたまえ。さすれば勇者にふさわしき秘宝をさずけよう。』
「試練の塔とはいったい?」
「はい、この村の東にそびえ立つ塔です。何でもトビラの鍵は勇者様にしか開けることができないとのことですので私達は中に入ったことはありません。」
「俺にしか開けられない塔か…。とりあえず行ってみるか。」
そして私達は試練の塔に行ってみることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます