第10話砂漠にきたけど大丈夫だよね?
翌日、みんなで朝食を食べていると
「なぁ、こないだの洞窟は最深部まで攻略したから次の街へ行かないか?」
兄が話しかける。
「そうですね。洞窟でだいぶレベルアップしましたし。もう暗いとこはうんざりです…。」
「そうね、なら次はハタカ村ね。こないだの海辺の街マリンダからさらに東に行った村よ。とくに名産はないけれど近くにダンジョンがあるわ。」
ミンティアが教えてくれる。
「ハタカ村か。よし、そこに行こう。」
そして食事を終え出発の準備をする。
「すぐ帰るからリアは大人しく待ってるんだぞ。」
兄からリアに言うと
「イヤっ!リアも行くんだもん!」
リアが答える。
「リア、今から行くとこは危ないとこだから大人しく待っててください。」
私もリアを説得する。
「ヤダヤダっ!お兄ちゃんと一緒がいいの〜!」
リアが床に寝転んでダダをこねる。
「昔のほのかみたいだな(笑)。しかたない。極力俺が守るから一緒に行こうか。」
兄がリアを抱きかかえる。
「しかたないですね。いきましょうか。それはそうと私も抱っこしてくださいっ!」
ぽかんっ
「調子にのるんじゃない!」
兄が頭をたたく。
そしてとりあえず海辺の街マリンダにきた。
「ここから東に行くんだよな。よし、クルマの準備を。」
兄がそう言うと、
「お兄ちゃん、飛んでいけば早いよ?」
リアが鳥形態になる。
「リア、俺達が乗っても大丈夫なのか?」
兄が尋ねる。
「大丈夫だよ〜!背中に乗ってっ!」
そして3人でリアの背中に乗る。
「じゃあ、行くよ〜。しっかりつかまっててね!」
そして飛び上がると、猛スピードで進みだした。
「わ〜っ!ストップストップ。もう着いたから降りてくれ!」
兄がそう言うとゆっくり地上に降りる。
マリンダを出て5分ほどでハタカ村に着いた。
時速500kmくらいだろうか。私がとっさに風魔法で結界を作らなければ、振り落とされるかとてつもないGで窒息していたかもしれない。
「次からはもう少しゆっくりで頼むよ。」
兄からリアに話しかける。
「ん、わかったっ!」
そしてハタカ村の人に話を聞いた。
「この辺でよく魔物がでる場所ってありますか?」
兄が尋ねる。
「そだなぁ。ここからさらに東に行ったとこにある砂漠の三角の建物だべかな。あの中さ魔物の巣窟って話だ。」
村人が教えてくれる。
「砂漠か。よし、行ってみよう。」
兄が言うと、
「ハタカーラ砂漠は広いからしっかり準備していきましょう。水と食料をしっかり持っていかないと。」
ミンティアが答える。
「また私に乗って飛んでいけばいいよっ!」
リアが言う。
「たぶん空からじゃ目的の建物は見つからないわ。だいぶ砂に埋もれているらしいから。徒歩で探しましょう。」
そして、一度家のある王都ハイデンベルクに戻り準備を整えるのだった。
「さて、まずは食料だな。たくさん持っていかないと砂漠じゃあ一度戻ったらふりだしだからな。」
「そうですね。私の転移魔法は目印がないと飛べませんから…。」
食料がなくなるたびに最初の地点にもどっていてはきりがない。一気に行かないと。
「とりあえず、日持ちするように固パンとか干し肉かしらね。あとはテントもいるわね。」
ミンティアが説明する。
そして数日分の食料とテントを買うのだった。
「これで準備をも整ったし、さぁ出発だ!」
そう言うと4人でハタカーラ砂漠へ向かう。
砂漠に到着し、しばらく歩いていると
「みなさん、魔物がきます!」
私がそう言うとみんなで身構える。
すると突然砂の中から巨大な大ミミズが出てきた。
「これは、サンドワームよ!悪食で何でも食べるから食われないように気をつけて。」
ミンティアが話す。
「身体強化、電光關火っ!」
兄がサンドワームを斬る。しかし斬ったほうの上半分は全然動いている。
「こいつも斬るだけじゃ死なない魔物かっ!」
「お兄ちゃん、ここは私がっ!」
そう言うと私は杖を構える。
「蒼き炎よ、光となりて焼き尽くせ!ファイヤショット!」
炎でサンドワームを消し飛ばした。
「お姉ちゃん、すごいっ。」
リアが私に抱きつく。
そして斬った方の下半身を切取ってミンティアが回収する。
「ミンティア、それ食べるの?美味しいの?」
リアがミンティアに尋ねる。
「ちがうわよ。乾燥させて薬品の材料にするのよ。」
そしてしばらく歩くと辺りが暗くなってきた。
「よし、今日はここら辺にして休むことにしよう。」
兄からそう言うとみんなでテントの準備をする。
「夜は危ないから交代で見張りをすることにしましょう。」
ミンティアが提案する。
3人で交代しながら見張りをし、なんとか朝を迎えることができた。
「おはようっ!お兄ちゃんっ♡」
リアが起きてくるなり兄に抱きつく。
「もう、お兄ちゃんから離れてください!私のお兄ちゃんですよ!」
リアを引き離す。一人だけ朝までぐっすり寝たので元気だ。
しばらく進むと目的地のピラミッドに到着した。
「やっと着いたな。入り口はどこだ?」
「あそこにトビラのようなのがありますよ?」
私がピラミッドの入り口らしきドアを指差す。
トビラの両脇には何やら翼のある魔物のような銅像が飾られている。
入り口に近づくと、なんと銅像が魔物の姿になった。
「わ、石像が本物になりました!!来ます!気をつけてください!」
私がそう言うとみんな身構える。
「これは、ガーゴイルね!」
ミンティアが答える。
「身体強化っ、!天駆ける龍の息吹!!」
兄がガーゴイルを燃えさかる剣で一刀両断する。
「あと1匹ねっ!」
ミンティアが言うと
「私にまかせてっ!風よ、邪悪なるものを切り刻めエアカッター!!」
魔法を唱えたのはなんとリアだった。
そして、残ったガーゴイルは真っ二つになる。
「すごいな、リアっ!エライぞ。」
そう言うと兄からリアの頭を撫でる。
「あ〜ん、それは私のはずだったのに〜。」
私は肩を落とす。
「リア、あなた魔法が使えるのね。おどろいたわ。」
ミンティアが言うと、
「うん、風なら私は自由に操れるみたい。」
リアが答える。
2匹のガーゴイルを倒すとトビラがひらく。
「よし、開いたな。中に入ろう。」
そしてみんなでピラミッドに入る。
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