面白い。
バディ物の基本をきっちり抑えている。
長身の美女、和泉小槙のどこか浮世離れした振る舞いとそれに振り回される武骨な片桐の対比は可笑しく微笑ましい。
しかし、水面下で進行している事態はそんな微笑ましさを吹き飛ばす恐ろしい事態であった。
独特な設定は覚えるのが辛いという人もいるのかもしれない。
だが、それを乗り越えた先の読書体験は得難いものだ。
日本の神話を思わせるネーミングセンス、SFなのかファンタジーなのか曖昧ながら骨太なストーリー。
そして、どれ程力があろうとも傷つかぬ者が無い戦争という行為の恐ろしさ。
それらを教えてくれるこの物語に出会えたことを感謝する。
第一部、および短編まで読了したが、今は第二部が始まっている。
続きも楽しみにしている。