第9話 趣向性(地雷)の提示
地雷とは、「苦手な趣向性のある文章=読んでしまうと地雷を食らったような精神的なダメージを受ける内容」で、人によって内容は異なります。
自身の作品に地雷が含まれていないかを確認し、含まれていたら丁寧に提示する事が大切です。地雷の提示は、主にタグや作品紹介(キャプション)・本文前のワンクッションなどで提示します。
!注意!この作品には(地雷名)が含まれます。大丈夫な方のみ、閲覧ください。
などと提示します。
趣向性(地雷)の提示は、なぜ必要か?
基本的には、読者側に不快感を与えずに快適に作品を検索・読書してもらうためです。
また、読者側に迷惑をかけてしまった場合、読者離れや悪評、恨みをかったりします。
恨まれると「荒らし」や「粘着」に絡まれて、文句や悪口を言われ続けたり、創作活動を邪魔されたり、交流相手が去っていったりします。
同じジャンルで地雷が多発すると利用者が減りジャンル衰退、類似サイトへ引っ越しなどして、自作を読んでくれる人が減るのも困りものです。
ただ、よく知らない人への注意やアドバイスは、絡まれる・逆恨みにあう可能性があるため慎重に検討が必要です。地雷を出す人が、ジャンル作品も読んでいそうであれば、自作内の作品紹介や本文前のワンクッションで、さりげなく「こうするのがここでは好ましいです」などとやんわり書くのも手です。
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地雷の提示は、どの程度まで?
小説公表サイトを使用する場合は、まずは「サイトの使い方・ハウツー」「ガイドライン・規則」の確認が必須です。カクヨムですと「カクヨムガイド」「ヘルプ」「カクヨムからのお知らせ」「利用規約」「ガイドライン」「プライバシーポリシー」です。
次に「タグや用語の辞書的なコンテンツ」がある場合は、そこで「タグ」「地雷」などで検索してみてください。残念ながらカクヨムにはないです。カクヨムサイト内にて、個人さんがノウハウを公開してくれるものがあるのみです。ニコニコ動画の「ニコニコ大百科」やPixivの「ピクシブ百科辞典」を参考に見ると良いです。
「サイト管理側の公開する規則」は厳守、「参加者が自主参加で編集できる辞書的コンテンツ」の内容は通説や個人の主張です。「タグや用語の辞書的なコンテンツ」の内容は厳守すべき内容ではなく、読んだ上で各自が判断して従うかどうか判断すべき事です。
とは言え厳密な規定はない場合が多いので、不明な点は周囲の作品を見渡すか、ネット検索してノウハウを探し、それに準じるしかないです。
例えば、オリジナル作品メインのサイトなら二次創作に「二次創作」タグや「原作名タグ」が必要だったりします。しかし、二次創作ばかりのサイトではオリジナル作品に「オリジナル」や「創作」のタグの方が必要になったりします。
そのサイト全体や大多数の趣向性に対しては表示が不要な場合が多く、読む側が各自で確認しないと危険な趣向、少数の趣向に対して表記が必要です。
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二次創作について
日本では二次創作が盛んで、うっかり普通みたいな観念で捉えがちな人が多いですが、二次創作がどんなに良作であっても原作レイプだと思う人も世の中にはいて配慮は必要です。
カクヨムは、作品作成時に二次創作チェック欄があり、利用できる作品名にも縛りがあります。
二次創作が盛んなサイトでは、「二次創作」タグより、原作名などのタグの表記が多いです。
また、原作の設定から一定以上逸脱した内容(例えば原作では恋愛関係にない人同士が恋愛関係になっているなど)の場合は、原作タグを使わず「原作名をもじったタグ」や「CPタグ」のみを使う場合があります。
それは、原作に準じる内容の小説を検索したい人を避けるための検索よけです。
ただし、自主住み分け的な慣習なので、慣習を知らない人は原作タグを使ったり、「原作名をもじったタグ」が表記揺れしたり、ジャンル人口が少なすぎるジャンルでは原作タグだったりします。現場の習慣を肌で感じて取り入れる事が大事です。
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同性愛について
「BL」や「百合(GL)」などの表記が必要で「N L(ノーマルカップリング)」の表記は不要な場合が多いあたり、性差別じゃないの?って言う見方はありますが、あくまで、使用するサイトにおいて「大多数」か「少数」か、「一般的」か「一般的でないか」で判断が分かれます。
オリジナル作品の場合は「BL」や「百合(GL)」のタグ、二次創作の場合は、「CP名」のみの表示が多く感じます。
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夢小説について
「夢」「ドリーム」などの表記が一般的です。二次創作よりも多くの人が嫌悪感を示しやすいので趣向性(地雷)の提示は必須・厳重注意です。
また、オリジナル作品や二次創作と同列に作品検索に上がってくるだけで嫌悪感を抱き、絡んでくる、創作妨害をされる場合もあります。
そのため、特定の人にだけの限定公開や鍵付きアカウントなどで公開する人もいます。
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メリバ(メリーバッドエンド)について
メリバの定義自体が明確ではないですが、主にメインキャラ的には両思いで幸せになったけど直後に死んでしまうなどの悲劇的展開を指します。
メリバは、大好きな層と大嫌いな層が真っ二つに分かれます。趣向性(地雷)の提示は必須・厳重注意です。
趣向性としてメリバが好きな人は、他の人は苦手と言う感覚に鈍くなりやすく、配慮をおろそかにしないよう注意が必要です。
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死にネタについて
作品内で主要キャラや主人公が亡くなってしまう事に対して、アリな人と、無理あり得ない人に分かれます。
悲劇的な展開により涙を誘う、感動させるような作品が多いですが、その結果は「メリバ」や「バッドエンド」、生き返りや生まれ変わるなどの「ハッピーエンド」などに分岐します。
死にネタと書いてしまうと、内容のネタバレになってしまいます。
どうしても提示したくない場合は、「ネタバレになるため表記しませんが、ショッキングな内容を含みます。なんでも大丈夫な方のみお読みください」などと表記すると良いです。
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厳しめについて
「厳しめ」は、二次創作において、特定キャラの扱いが非常に厳しく罰しられたり、注意されていたり、ひどい目にあっていたりする内容を指します。
特定のキャラを愛す故に、そのキャラに辛く当たる相手を非難する、特定のキャラの代わりに被害に遭う的な内容と言われますが、現実としては嫌いなキャラへの「キャラヘイト」である場合も多いです。
AとBの恋愛を描くのに、Cを当て馬的な存在にしたりすると、Cファンにとっては「C厳しめ」となり、読むと不快となります。
自分の好きなキャラばかりに焦点を当てすぎて、うっかり傍キャラをディスらないよう注意しましょう。
意図的に「厳しめ」を書く人・読む人の心理について。
よく嫌いな相手のために小説を書くものだと思われますが、相手の悪事を広く知らしめたい、自分の意見に賛同者を探したい、しかるべき制裁を加えたいと思う気持ちの表れだとは感じています。
現実では犯罪行為な小説が公表可能で、「厳しめ」のみ不可とは言えませんので、その辺りは、できる範囲の配慮と住み分けが妥当と考えます。
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特殊性愛系について
一番注意すべきなのは「現実では犯罪」な内容です。「強姦」とか「陵辱」など。
次に注意すべきは、「普通の人は無理、あり得ない」内容です。「獣姦」とか「3P」など。
そして、個別の趣向に注意です。「SM」や「スカトロ」、大人の玩具を使ったプレイなど。
アダルトオンリーな小説公表サイトではない場合は、慎重な配慮が必要です。
プレビュー画面などで、ヤバイ文章が表示されるのは迷惑なので避けましょう。
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各自の趣向性について
ネットで小説を書き読めば、一定の確率で地雷と遭遇します。
道路を歩けば、もらい事故に巻き込まれる確率があるのは仕方ないレベルです。
それが嫌であれば、書店で売っているベストセラーなどを安心して読めば良いと考えます。
誰かの素敵作品は、別の誰かの地雷な確率は高いです。
自作を認めてもらうなら、ある程度、他作にも寛容であるべきです。
そして、趣向の違いを争うよりも適切な住み分けがお互いの利益に結びつきます。
以上。
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