カクヨムの「表現についてご留意いただきたいこと」について

・表現・描写などにより著しく性欲を刺激するもの→R-18

・暴力的又は陰惨な画像・表現・描写などにより興味本位に

　暴力行為又は残虐性を喚起・助長するもの→R-18G

として、あとの３つの事例を紹介します。

・自殺を誘発・助長・ほう助するもの

過度に自殺を美化して、読み手が「自分も自殺したい」と思えるような魅力的な小説は、不適切です。また、失敗続きや能力が低い人物に対して「自殺すべき」「自殺するしか道はない」と繰り返し説き、それに対抗や反発する人物がいない、弱い場合が不適切です。自殺の具体的な方法を鮮明に語り、真似ができる情報を揃える事も良くないです。配慮する場合は、手段を曖昧にしか語らなかったり、わざとフェイク情報をかませるなどすると良いです。

・犯罪行為及び刑罰法令に抵触する行為又は誘引・助長・ほう助するもの

20歳未満の飲酒や喫煙など。未成年がうっかりお酒を飲んでしまって酔って本音を吐くような話は鉄板ネタですが、厳密には法律違反なので、注意表記が必要です。未成年の喫煙は、不良や、海外ファンタジー設定で成人年齢が違う・法律が違う際などで、注意表記が必要です。

漫画の話ですが、最近、少女漫画雑誌りぼんでは、成人の喫煙シーンまで掲載不可になりました。成人が煙草を吸う事自体がマズイのではなく、おそらく未成年者や家族への受動喫煙を推奨しかねないためと思われます。

推理小説や刑事物では定番ですが、安易に家宅侵入や個人情報漏えい、身分詐称、証拠の持ち去りなどを行っています。本来は犯罪です。犯罪事件の話で、具体的に犯罪方法を説明しすぎて、真似してみよう、参考にしようと思われるような表現は避けるべきです。

R-18でありがちな「飲み物に媚薬を混ぜてエッチな気分に」とか「無理やりな肉体関係から愛が芽生えて」「寝込みを襲う」みたいなのは、現実においては犯罪です。

・他者に対する差別表現、権利を侵害する行為

特定の人種を差別するような発言や、ストーリーや設定が差別的な場合。例えば、白人・黄色人・黒人がいて、事件の後に不自然に白人のみ生き残ったり、上級職が白人ばかりで、肉体労働が黒人ばかりなど。

2018年にアニメ化中止・出荷停止に至った小説「二度目の人生を異世界で」問題は、作者が過去に中国や韓国への差別的な発言をしていた事が主な炎上原因ですが……主人公が、前世において、第二次世界大戦を彷彿とさせる世界大戦にて敵を大量殺戮した上で敗戦。戦犯として罪を償ったり、殺害を悔いたりする事なく英雄と称えられた後に死亡、転生して活躍と言う内容が中国人・韓国人の怒りを買いました。

大義名分のない戦争での殺害を正当化して英雄視する、敵国の人命の軽視や侮辱が差別的発言です。民族間で命の扱いに格差があるのは危険です。ドイツのヒトラー的に賛美してはいけない部類です。

ただ、それを言うなら、朝鮮出兵した豊臣秀吉や、日本軍人の山口多聞とかを英雄視しても咎められないのは、複雑な所です。また、逆を言えば元寇（モンゴルからの日本侵略）でチンギス・ハンの子孫に日本も痛い目に遭っているはずですが、侵略者であるクビライ・ハンを嫌ったりはしていないので、ざっくりとした歴史的背景より、知名度やイメージ先行な気もします。

子供の扱いや女性蔑視やLGBT差別に気をつける。さしたる意味もなく、女子供がひどい目に遭うとか、明らかに人権侵害な扱いをされるとか、性的マイノリティーを侮辱的な意味でおもしろ可笑しく描くなど。以前はセーフであったとんねるずのお笑い「保毛尾田保毛男（ほもおだほもお）」も、賛否は分かれますが現在はアウトです。同様に、高齢者の認知症や身体の衰えなどをいじって笑いを取るような行為も、現在は差別です。

日常会話に良くある「男だろ、泣くんじゃない」とか「女のくせに」とかも現在は差別発言ですが、使ってはいけないと言うより、それを補うフォローや注意文を入れれば良い類です。

以上。