第5話 ストーリーの組み方

ストーリーの内容は、「トラブルが発生して解決」か「目的を目指して活動し達成」が多いです。

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1.ストーリー全体の組み方

2.細かいストーリーの積み上げ方

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1.ストーリー全体の組み方


ストーリーの組み方は、一般的に「起承転結」とか、「シンデレラ曲線(カート・ヴォネガット命名)」とか、映画の「三幕構成」などが有名です。

細かいところは違いますが大筋は似たようなもの、なんてざっくり言っていいのかどうか分かりませんが、自分なりに噛み砕いて説明します。

4分割でも3分割でもない手順で書くのは、既存の説明だと複数の要素が混ざって1つの区割りになっていたりするためです。


手順0:番組宣伝CM

本編の手に汗握る山場を、少しだけ切り出して読者に見せて、作品への興味を引きます。

これはあってもなくても良いですが、ウェブ小説のような「数行読んで面白くなかったら即ブラウザバック」を防ぎます。

桃太郎(例)鬼ヶ島での決戦シーンをチラ見せ。

シンデレラ(例)武道会のダンスシーンや、魔法が切れてピンチなシーンをチラ見せ。

探偵物(例)探偵がドヤ顔で犯人を名指しするシーンなどをチラ見せ。


手順1:人物や世界観の紹介

起承転結の起の時間。こんな世界感で、この人が主人公なんですよって言う自己紹介シーン。

桃太郎(例)桃太郎の出自や、おじいさん達との暮らしを語る。

シンデレラ(例)義母と義理姉の元で、こき使われて生活している。

探偵物(例)探偵事務所のメンバーや、普段の仕事の紹介。


手順2:事件の発生や、旅立ちなど、自主行動のスタート

起承転結の起の変化。日常生活から非日常なトラブルや行動が発生し、決意や目標を持った行動が始まる。

桃太郎(例)桃太郎は、きびだんごをもらって鬼退治に出発する。

シンデレラ(例)魔法使いが、シンデレラの前に現れる。

探偵物(例)依頼人が依頼をしに来て調査スタート。


手順3:解決のための準備や努力期間

起承転結の承の時間。努力して、仲間や道具や情報を集めたり、強くなっていく。この時点では迷いもある。

この時間が長い場合は、個別のエピソードの中で小さな起承転結が何度も発生する。

1エピソードが、シリーズ物の30分アニメや、1時間ドラマの1話完結イメージで考える。

桃太郎(例)犬・猿・雉を仲間にする。

シンデレラ(例)魔法使いの魔法で、衣装を変え、馬車や御者を用意する。

探偵物(例)地道な調査時間。連続殺人事件なら、複数の事件が発生。


手順4:最終目的との対峙を決意して出発

起承転結の承の変化。最終決戦への旅立ちや、最終目標に取り掛かる。迷いがなくなり結論が出る。

桃太郎(例)桃太郎と犬・猿・雉で、鬼ヶ島へ向かう。

シンデレラ(例)綺麗な衣装で舞踏会へ出発する。

探偵物(例)探偵には犯人が分かった状態で、犯人をおびき寄せたり、解説の準備をする。


手順5:最終決戦の序盤

起承転結の転の時間。物語が佳境に向かってヒートアップする。主人公の活躍。

桃太郎(例)鬼ヶ島での鬼と戦う。まずは順調に倒していく。

シンデレラ(例)舞踏会で王子様とダンスを踊る。

探偵物(例)探偵が謎解き・犯人を発表する。


手順6:最終決戦のピンチ

起承転結の転の変化。順調に進んでいた展開が形勢逆転、一気にピンチに陥る。

桃太郎(例)鬼がパワーアップして、絶体絶命のピンチ。

シンデレラ(例)0時をすぎて魔法が解けてしまい、ガラスの靴を片方落として帰る。

探偵物(例)犯人が逃げたり、襲ってきたり、探偵の証拠が覆ったりする。


手順7:最終決戦の勝利

起承転結の結の時間。ドラマチックに最終目標を達成する。

桃太郎(例)仲間の協力や必殺技で、逆転して鬼を倒す。

シンデレラ(例)王子様が、ガラスの靴でシンデレラを発見する。

探偵物(例)困難を乗り越え、事件を解決して犯人を捕まえる。


手順8:最終決戦の後の結末

起承転結の結の終わり。目的が達成された後の結末や暮らしを語る。

桃太郎(例)鬼が都から奪った財宝を取り戻し、一部をもらって幸せに暮らした。

シンデレラ(例)シンデレラが王子様と結婚する。

探偵物(例)犯人や依頼人の末路や、探偵の報酬や暮らしの変化などの描写。

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2.細かいストーリーの積み上げ方


長編のストーリーだと、「ストーリー全体の組み方」の「手順3:解決のための準備や努力期間」が長くなります。

細かいエピソードが複数存在する時、ゲームで言えば、8つのアイテムをどの順番でもいいから集めるような「並列エピソード」と、各エピソードで成長やパワーアップした主人公が次の段階の試練に挑む、順序を踏んでレベルが上がっていく「階段上昇エピソード」に分かれます。また、日本大会で優勝したら次は世界大会、集めた8つの道具が盗まれて、また集め直すなどの、同じような流れの展開を繰り返す「螺旋階段エピソード」などがあります。


・並列エピソード

各エピソードの順番が入れ替わっても、さして違和感なく成立する話。

桃太郎(例)

「エピソード1:犬と出会う」or「エピソード2:猿と出会う」or「エピソード3:雉と出会う」

→3つのエピソード終了後「エピソード4:犬・猿・雉と鬼ヶ島へ行く」


・階段上昇エピソード

前のエピソードで入手したものがなければ、成立しない話。

桃太郎(例)「エピソード1:犬・猿・雉と出会う」→「エピソード2:仲間と協力して船を入手する」→「エピソード3:仲間と船に乗って鬼ヶ島へ行く」


・螺旋階段エピソード

過去のエピソードの流れを踏襲して、似たような展開が繰り返される。

桃太郎(例)「エピソード1:桃太郎が鬼退治をする」→「エピソード2:桃太郎の息子が鬼退治をする」→「エピソード3:桃太郎の孫が鬼退治をする」


以上。

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