だから、電気は使えるし、水も出る、ニュースも流れていたし、ラジオも聞けたのは、こういう事だったのかと田中は思った。






鈴木が風間に銃を向けた。


「おっと、あんた咬まれているな、


ここにはここのルールがある。






死んでもらうよ。」








高橋がはしゃぎ出す。


「ひゃーひゃーひゃー。」








田中が身を乗り出して止める。


「ちょっと待ってください。


風間さんはまだ意識があります。」








「いいんですよ、田中さん。」








「駄目ですよ。」






「あのなー、お二人さん。




ここに居るのは皆、ポメラニアンに家族や友達を喰われてたんだよ。




咬まれた奴をおいてはおけないんだよ。」






「分かります。


田中さん私とは、ここでお別れです。」






「風間さん。」






「まぁー仕方無いな…




おい高橋、バリケードを開きな。」








「へい。」






高橋がバリケードを開ける。






風間は一人でこの場所から出ていった。






「あんたはどうするんだい?




残るのか。」






田中は風間との約束を守るために、ここに残り機会をうかがって先に進む事に決めた。






「はい、私は、残ります。」








「そうか、実はこの施設は、人で不足でな、


あんたも戦ってもらうよ。」






「ええ、分かりました。」








「じゃあ、中に入んな。」






建物自体も厳重にバリケードがされていた、中に入ると壁や階段がボロボロに壊されていた。






「中まで入られたんですか?」






「いや、ポメラニアンが上れない様に階段を壊した。




なかなか良い案だろ?




人だけが上れる様に工夫してある、あんたも上がんな。」

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