「あれ、田中さんはネットを見てないんですね?




ポメラニアンに咬まれると、約一週間でポメラニアンになります。」






「えー、冗談でしょう。」




そんな、バカな話誰が信じるものかと、田中はそう思った。






風間は右手を上げて見せた。






その手には肉きゅうがあった。






「あははは、私は、咬まれてます。」






田中は驚き身構えた。






「大丈夫ですよ、田中さん。






咬まれてから、一日二日は人の意識があります、妻がそうでしたから安心してください。」








「妻?」






「はい、私は、妻と娘がいました。




家で、家族を守っていたんですが、何処からか入ってきて妻と娘が噛まれました。」






「ポメラニアンに…」






「ええ、人じゃないですよ、


って分かりますよね。






娘は三日後には、完全に姿が変わりました、まだ四歳だったのに…」






田中は俯き、何も言えないでいた。






「で、妻の意識があったのは二日間で、体はどんどん小さくなり今は、完全に姿が変わっているでしょう。」






「今は?」






「はい、娘の姿が完全に変わった時に、私は、家を出ました。






ある場所に、研究所があるという噂を知って、今そこに向かってます。






田中さん、私は、今日噛まれてしまいました…お願いしたい事があります。」






大体の察しはついている。






研究所に行き、もし元に戻す薬が出来ているのなら、私の家族を救って欲しい、と言うのだろう。

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