電信柱に衝突している車を見付けた、よく見ると煙が上がっている。




事故を起こした直後の様だ。






覗いて見ると、運転席に人が居る。






「大丈夫ですか?


動けますか?」






「ああ…大丈夫だ、早く逃げた方がいい。




そろそろ追い付かれる。」






え!?追い付かれる。








遠くの方から、人々の叫び声と、ポメラニアンの鳴き声が聞こえた。






「くそー。」




田中は走った。






そして、逃げた先にもポメラニアンが現れた。






ビルの影から飛び出して来た人に、飛び掛かるポメラニアン。






肩や手や足に咬み付く。






「うぎゃー。」






咬まれた人はそのまま動かなくなる。






田中はその光景を目にして叫び走る。


「誰だよ、さっき可愛いって言った奴ー。




私自身だよー。」






ぷよ日本には銃は無い、だがぷよアメリカの様に銃があったとしても、群で人を襲うポメラニアンを撃退することは不可能だろう。






道路沿いをひたすら走る。






後ろから、次々と聞こえる悲鳴が段々と近付いてくる、


振り向くなんて出来ない。






耳に入ってくる悲鳴から出来る限り離れなくてはならない。






けれども、速さに差がありすぎた。




すぐ後ろに、小さな息遣いがする、犬独特の走る時の呼吸音。






「ハー、ハー、ハー。」と。

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