やはりと言うべきか、電車は止まっていた。




長い路線のどこかで、ポメラニアンの進行があれば電車は動けなくなり全線止まる。






「あーあ、二時間歩きか。」






田中はとぼとぼと歩いた。






道端には、所々車が止められていて。








窓は割れ、車内は赤く染まっていた。






「うわー。」






田中は始めて見る、大量の血に驚きの声をあげた。






暫く進むと、窓が締め切られ血が付いてない車があった、


中を覗くと一匹のポメラニアンが暴れていた。






牙を剥き出しにし、窓に何度も体当たりしていた。






「うひゃー、ニュースを見ていなかったらドアを開けちゃうよな。」




可愛いポメラニアンが車に閉じ込められて、助けてと暴れている様にも見える。






だが、人々を襲っている事を知っていると、


こんな子犬も化け物に感じるのだろう。






実際目にしても、まだ信じられない。






田中は足早にその車から離れた。

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