「…誠也君…」
「…奈緒美さん…」
泥まみれ……
私の身体を這う生きた泥は、ぎこちない…
恥ずかしそうに、全てをさらけ出し見せていた。
それに、答えるように、私は、バスタオルの中で下着を脱ぎ床においた。
生きた泥は、バスタオルをゆっくりと外した、私は、手で胸を隠した。
生きた泥は、私の手を掴み動かした、そして、胸にへばりつく、私の考えとは違う動きで、私を蝕んで行く。
色々考えていた、生きた泥への意地悪は出来ないでいた、今までの快楽とは違い、何かが足りず、けれども何かが多かった。
少なくても、多くても満足出来ない、何も満たされない…そんな快楽を味わった。
「…奈緒美さん…奈緒美さん…大丈夫ですか?」
「うん、終わったの?」
「…はい。」
「じゃあ、もう一回シャワー浴びようか?一緒に入る?」
「はい、入りましょう。」
満たされない、何かを埋めるために、離れる事が出来ない、少しでも離れたら、余計に満たされないと思ってしまい、できる限り側にいようとする。
それこそが、何も満たされてない、何も満たされる事がない証拠だと気付かないふりをして。
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