慌てて出てきた、誠也君は、腰にタオルを巻いていたが、雑で斜めになっていた。
「雑に巻いて出てきたのね、直ぐに脱ぐから構わないって思ったの?」
「違います、待たせたら悪いなって…奈緒美さんも着替えたんですね?」
「うん、着替えたって言うのかな?ここは脱いだって方があってるかもね、そんな事より全然拭けてないじゃない、仕方ないな。」
私は、小さなタオルで誠也君の身体を拭いてあげた。
腕を持ち、軽くタオルで拭く、段々と上にいき肩を拭く、そのまま首に手を回して抱き付く様に背中を拭く。
「…あ、奈緒美さん…」
「どうしたの?」
前から抱き付く様にして、背中を拭きながら、ずっと目を見つめた。
誘うように、口を尖らしてみた…そしたら直ぐに誠也君は私を抱き締めた。
「ちょっと、まだ拭けてないじゃない…まって。」
わざと腕で押し距離をあけ、今度は胸やお腹を拭く。
やさしく、トントン叩きながら、タオルは段々とへそに近付く…そこでまた私は、上目遣いで誠也君を見た。
「…奈緒美さん…」
「…なーに?自分で拭くの?
拭いて欲しいんでしょ?」
「…はい…お願いします。」
絞り出す様な声で、お願いされてしまった。
「…ねぇ、誠也君…何か我慢しているの?」
私は、意地悪な質問をする、私も同じなのに。
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