結局私は、バスタオルを脱がされ、下着も脱がされ、夫に成すがまま身をまかせた。






「…奈緒美…」






少しの間は覚えていたけど、途中から何も考えず、覚えてる事が出来なかった、真っ白の世界の中、只、何時もの、夫婦の時間を過ごした。








……






朝。








私は、何も無かったかの様に朝食を作り、夫を見送った。






昨日の夜、私は、どんなだったのだろう?






ちゃんと声出していたかな?






ちゃんと動いていたのかな?






ちゃんと…ちゃんと…






こんな風に、悔やむならちゃんとしとけばよかった、私って本当にどうしようもない。








お昼は、久し振りにパスタでも、作ろうかな?






誠也君…パスタ好きかな?






誠也君…会いたいな…






私って卑怯だよね、夫がいるのに、誠也君誠也君って…






夫が知ったらどんなに惨めで、悔しいか、きっと怒りを通り越して、失望して……どうなるのかな?






私は、分からない、何をしたいのか、何を考えてるのか。






でも、会いたいの、今すぐ会いたいの…誠也君に。






「…ごめんなさい…あなた…」

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