他のレジの店員から、「くすくす。」と微かな笑い声が聞こえた。
あー、私と誠也君が噂になってたんだ、そう思われないように、時間をずらして昼に来たりしてたのに。
でも、いたら必ず誠也君のレジに並んでいたし…
私は、凄く楽しくて回りなんて気にせず会話をしていたことに、今、気が付いた。
一体、どんな風に見えていたのだろう?
まさか、おばさんが若い男性と話したくて、誠也君に話し掛けていると思っているのだろうか?
心外だ、今だって誠也君の部屋で…何て言えないし、誠也君だって人妻と付き合っているなんて、言えないだろうし……
私たち、付き合っているのかな?
今までいた、夢の中からいきなり現実に、連れ戻された気分だ、まさか家に着く前に嫌な気分にされるとは思わなかった。
何か…ムカつくから、この小娘に言ってやりたい。
「…私、貴女のような若い女性の百倍モテるんです。」
何て、言える訳が無かったので…
「…貴女…
化粧が…下手ね。」
ぼそと、小声で言って、スーパーから出た。
「もー、あのこなんなのよ、今度誠也君に会ったら、問いただすんだからね、後、少しお仕置きもしないとね。」
何か、逆に楽しくなってきた。
あんな事や、こんな事してお仕置きするんだー、と心の中で叫びながら道を歩く。
真っ暗な家に着く、一応「ただいま。」と言ってから、料理を作り始めた。
「今日も、どうせ…帰りは遅いわよね。」
だからといって、私が遅く帰る訳にはいかない、浮気してるなんて疑われたくないから…
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