誠也君の部屋の少し甘い匂いと、肉じゃがの甘しょっぱい味が今までに、感じた事の無い衝撃を与えた。






ねっとりとした、感覚が口から離れていく、その二つの口を繋ぐ様に玉ねぎの繊維が渡っていた。






「あ、玉ねぎ…私にくっついてきたね…」






「はい。」






そう言うと、誠也君がまた近付き玉ねぎの繊維ごと私の中に入ってくる。




「…ん…」






少しぎこちなく、誠也君が床に手をついた、その手と床の間に箸がまだ掴まれていた。






私は、目を瞑る事なく、ぎこちないキスをする、誠也君を眺めていた。






何だろう?何時もなら私の方からも、絡め返すのだが、何だかそれをしてはいけない気がした…誠也君のしたいように任せて私は、動かない様にしないと駄目な気がした…








もちろん、夫がいる私が他の男性とキスをすること事態が間違っているんだけど。






暫く続いたキスが終わり、誠也君の顔が離れていった。






「…どうだった…肉じゃがとキスどっちが、美味しかった?」




私は、いたずらっぽく聞いた。






「…うーん…」






「もぅーここはキスって即答しなさいよね。」






「…え、まだよく分からなくて…」






「そうなの、それじゃあー。」






私は、わざと両手を掴んで、身動きがしにくい状態にしてから、キスをする。






「ん…んん…」






成すがまま抵抗出来ない様にして、私のキスをする、意地悪で我が儘に。






「…んんん…」






誠也君が緊張して息が上がっていくのが、掴んだ手と、繋がった口から伝わってくる、そして、暫くすると緊張が快楽に変わり、少しビックと震えたのが分かった。

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