第2話 悪魔の居処

「先方にビビられてしまったわ。どうしてくれるのよ?」

 要するに、俺の言った事が予測というレベルを超えて、相手のプロジェクトを当てていたらしいのだ。上司の牛久保さんはそれを部下の仕事と言うよりかは、脇差でも抜くべきタイミングでない時に、剣を抜いてしまった感じだ。会議が事前に有った。交渉など先方に会う仕事は上司が行う。感情上は確かにこちらが悪い。

「君の、知っていたが非常にまずい。結果がそっちに行ってしまった。先の先と言うか、踏み付けたかの様な読みを展開されたのに、気付かなくてな」

「何の事だかわかりません。グルメの無料ペーパーの特集でしょうか?」

 そう、多分この人ならこの仕事駅近のグルメフリーペーパーにでも、コンビニの料理を載せようと言う企画だろう。しつこくは無い。でも、三回目だ。

 お弁当の製造ならば愛されるべき、出来立ての直販が可能だ。読みは鋭く的中。三日目の怒られ方だ。また、変な方に動いたか。

 そもそも、猪千影虎イセンカゲトラと言う名前を茶化し、テキトーな別名で呼ぼうと企むのが悪い。まあ、動物二つは妖しいとか言われるならば、普通の方だ。理解であるからだ。上から下目線の女語の言葉が飛び交う。

「違うんだ。先方と思わぬ方に話が行ってしまい彼らが言うには、地元と言ってうちの県の中で作るタイプがやる気が出るらしいんですね。確かに、君のはユーモアに満ちている。球場名か、チーム名のベースボールコーラ系等、フレッシュなもの。近所の工場のラインの間借りなどとんでも無いブランド感で、企画の底に眠っていたらしく、強烈に心に刺さったそうです。記憶を呼び覚ますのはびっくりするだろう。呻き声を上げて、牛久保さんの能力が有ったら良いラインにのると思い、積極果敢になると思いますと来た。んー、いや、うちはグルメだからダイエットには気を付けてくれ。ああ、意味が違う。失敗するな」

「ああ、はいわかりました」

 オンラインゲームの秘密がバレたかと思い、思わず背筋の中央部に力が入って、汗では無いが紺色のスーツの上下の中の筋肉とその筋が浮かび上がりそうだった。この話は、終わりだろう。しかし、事実はこうだ。「ただの予測です」とは言えなかった。いや、言えるか。


 メールは、しかし、レスキューを含むかの様に、情け容赦無く続く。表の顔としては、記事の前の取材やこれは談合が疑われるから。近所から見たらの株だけ上がるから。そして、事実でもある事が否定できぬと厳しい指摘をクレームとしてお客さんとしてうちにやって来てしまうから。

 などなどクリーンに気を使っている。メールはこうだ。流れを見る。トータルの把握がいると見た。しばらくは、手抜きで済むだろう。特に仕事は、そうだ。腐らなきゃいい。どうせ自爆だ。気にするな。使えないのが悪い。知っていたと言うのは強い。そう、思っている。続きが律儀にやって来た。

【霊力ってわかるかしら?霊力流しって言って、仕事をさせるのよ?生き物の様に。それは、光とかエネルギーとか人によっては言うわ】

【それって、黄泉の門が開きませんか?製作者は、魔界から強い悪霊を呼ぶことに固執し、永遠の執着とほぼ化している。例としてAと言う作家に傾倒していて、ほぼ悪魔礼賛に近い。そう言うプロダクトじゃあ無いでしたっけ?これは、簡単にゲートが開いてそこ、ゲームセンターは絶対にサイキッカーの人種は近寄りませんよね?ここ、ボクの界隈なんですけども】

【界隈って?『未来』でしょう?全部教えて?私弟子よ?】

【人間関係、人生の】

 界隈の事を答えた。どうせ責任を取る為に本アドだ。授業は始まった。為になるだろう。少なくとも仕事のためくらいには、脳内をそうインプットしておこう。そう思う。少々ぶっ飛んでいて、びっくりするが安全圏内で、所詮主にゲームのテクニックだろうと思う。だから、このアングルか。

 リーダーSめとも思うが、まあいい。楽しいからだ。PS:GB略称の先のこちらの方は、ゲームに表示される『出会いに使わないで下さい。』この一文がくどい。

 普通は、逃げる為に『予備アド』や『アンダーグラウンド用』を用いる。名前を表示しない様に、設定に気を使うだけだ。

 ただ、メールアドレスに少々まずい物が、『悪魔の名前』が含まれるが。まあ、良いだろう。ギオラオンが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る