ときめき。






まさか、結婚してから、しかも旦那ではない人とキスをして、ときめくなんて…


私は最低だ。






家に着いたのは、一時間以上経ってからだった。




頭の中で、あのキスがぐるぐる回っていた、本当に一瞬の出来事だったのに何時間も私を縛り付ける。






あの苦いキスが。








玄関でインターホンを鳴らしてから、家に入る。






「ママー、お帰りー。」


元気に抱きつかれ、気持ちが少し何時もの母に戻った。






旦那は遅かったなとは言わずに、晩ごはんの用意をしてくれていた、


一人暮らしが永かった旦那は、私と同じぐらい料理が出来る。






「…ただいま、あなた…」


何時もと変わらない様に喋ったつもりだった、でも、変…


何故か何処かがおかしかった。

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