ネットで小説を読むのは大変苦手なのですが、後半九話、一息に読みました。
第一話から、謎めいた部分が多く、どこに向かうかも分からない。とても、気になる展開でした。
第三話の「おでかけの365」でみゆさんが何故怒っているのかよく分からなかったのですが、今読み返すと、そういうことだったのかと胸を締め付けられます。
「先生」や「杖」、呼んだ瞬間は「おや?」と思ったのですが、自然と馴染んでしまっていました。伏線を伏線と感じさせない素晴らしい張り方でした。最後に見事に回収されていて、感動しました。
後半、思わず涙ぐんでしまいました。「終焉の0」の片桐さんの独白があまりにも切実で、涙が出てきました。エピローグのチェルビアットの独白もそうです。とても胸に迫る一人称ですね。
エピローグの最後の言葉があまりに切なく、胸がいっぱいになりました。
長々と申し訳ありません。素敵な作品ありがとうございました。
プロローグの黄金色の稲穂にはじまり、描写がとても美しく、リアリティを感じました。謎の多い伏線もちゃんと回収されており、緻密なストーリー性がうかがえます。
娘のように暮らす彼女にも『女の子』としか呼称していないあたりに、物語に対するきれいな悲しさ、残酷さを感じずにはいられませんでした。
よい物語をありがとうございました。