捻りも新しい視点もそういうのは何もないありふれた触手生物異種族姦物

 先日、連合国軍が憎き魔王軍の長である魔王を倒し、支配地域を制圧した。


 本題とは関係ないが我々は魔王を魔王と呼んでおり、魔王の名称を知らなかった事に気がついたが、今更知る気もないのでどうでもいい。


 で、私も魔王領を視察にいったわけである。




「ここはなんですか?」


「はい、ここではあなた方でいうルーパーを養殖していた牧場です。ルーパーの生態はご存じですか?」


 魔王城近くにある兵舎。

 その地下下水道、なんと下水道である。魔族も馬鹿ではないのだという事に驚いた。


 そもそも我々の知る魔族というのはゴブリンやオークといった魔物の延長線上にあり、原始的な生活をしているのだろうなと勝手に妄想していたのだけれども、どうやらそれは間違いであった様で家屋も我々と同じ様に木材だったり石造りで、市場もちゃんとあったのだ。


 その下水道でルーパーを養殖しているのだと言う。


 ルーパー。

 それはなんともイヤらしい生物なのである。

 球体にそれぞれがウネウネと動く触手を無数に持ち、異種族の雌の胎を借りて繁殖するのだ。

 環境に強く、その身も恐ろしくタフで雌の匂いを感じ取れば見た目のわりには素早く行動し、催淫効果のある気体や体液を撒き散らし種付けを行う女性の敵である。


「まだ全ては駆逐出来てませんが」


 おいおい、どうしてそんな所に案内するんだ。


 小さい蟹がルーパーに包まれながら泡を出しながらダブル鋏をしている。

 乳牛の腰に張り付き種付けをしているのだろう。乳房からはミルクがどっぱどっぱである。


 ルーパー怖い。


 ベチャ


 案内してくれた魔族の者の股から黒く、丸い何かが落ちた。


「これが新型ルーパーの子です。人の皆様はなかなか見た事ないでしょう。ルーパーって生まれたては触手全然ないんですよ」


 そう言いながら彼は生まれたてのルーパーを拾い、手のひらに乗せてこちらに見せる。


「そうそう。我々の努力により、なんと!雄の身体にもルーパーを産ませれる様に改良したんですよ」


 最初は険悪感あったけど今ではやみつきですね。


 そう言って彼はふふっと笑った。

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